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TOYOTA GAZOO Racing TS050 HYBRIDでル・マン24時間初制覇に挑む
TOYOTA GAZOO RacingはFIA世界耐久選手権(WEC)シリーズ最大の注目イベントとも言える、第84回ル・マン24時間レースに挑む。今回がトヨタにとって、初挑戦の1985年以来、18度目のル・マン挑戦。この間には5度の表彰台獲得、4回の2位フィニッシュという結果を得ている。
今年のル・マン24時間レースは、2台のTS050 HYBRIDで挑む。#5号車は2014年のWEC世界チャンピオンであるアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミに中嶋一貴を加えた布陣。中嶋は2年前のル・マン24時間レースでポールポジションを獲得している。#6号車はル・マンで3度のポールポジション獲得経験を持つステファン・サラザンに、マイク・コンウェイと小林可夢偉が組むという。
昨年のル・マンで6位と8位に終わったTS040 HYBRIDから大幅な改良が行われ、1000psの最大出力を発揮するTS050 HYBRIDは、ル・マンに向けた最適化が施され、過去の勝者でもあるアウディ、ポルシェ勢に挑む。
パワーユニットはトヨタ東富士研究所で開発され、最高の効率とパワーを発揮する2.4リッター直噴V6ツインターボエンジンと8MJに対応したハイパワー型リチウムイオンバッテリー方式のハイブリッドシステムとの組み合わせとなったそうだ。
そのパワーユニットの開発と並行して、2016年シーズンへ向けた新たなシャシーがドイツ・ケルンのTMGで開発された。ほぼ全ての部品が新設計であり、重量、パフォーマンスの両面で最適化を図った。ル・マン24時間レースで登場する低ドラッグ仕様の空力パッケージは、6月5日(日)にサルト・サーキットで行われたテストデーで好感触を得ているという。
前戦スパ6時間レースでは、エンジントラブルに見舞われ戦列を去るまで、勝利を狙える位置でのレースを続けていた。スパのレース後にデータを解析した結果、トラブル原因はスパ特有の、オー・ルージュコーナーでの路面への車体底付きに起因するものと判明した。この経験と反省を活かし、スパで見せた速さを自信に、ル・マン初勝利を目指す。
6月5日(日)に行われた公式テストデーの結果では、規則により燃料消費量が約10%削減された中、TS050 HYBRIDがこの日にマークしたベストタイムは、昨年のテストデーでのタイムを2.124秒も上回るものであり、また、2台のTS050 HYBRIDはトータルで179周、2440kmを走破し、信頼性の高さも示したという。
走行セッションは、6月15日(水)午後4時(日本時間午後11時)から4時間の公式練習走行で始まり、同日午後10時(同翌午前5時)から2時間の公式予選1回目が行われる。16日(木)には、午後7時と午後10時(同翌午前2時、5時)から公式予選2回目、3回目が、それぞれ2時間ずつ行われ、3回の公式予選で記録された、1周の最速タイムで決勝レースのスターティンググリッドが決定される。
17日(金)はル・マン旧市街地で伝統のドライバーズパレードが行われる。18日(土)は午前9時(同午後4時)から45分間のウォームアップ走行を経て、午後3時(同午後10時)に24時間レースのスタートが切られる
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