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「日産パワー88」最終年の今年度が正念場
日産自動車の2015年度の売上高は12兆1895億円(前期比7.2%増)、営業利益は7933億円(同34.6%増)、当期純利益は5238億円(同14.5%増)だった。
全世界での販売台数は542万3000台で、2014年度(531万8000台)より2.0%増えた。マーケットシェアは6.2%。
好調だったのは北米(9.9%増えて201万1000台)と中国(6.3%増えて125万台)。逆に国内は前年度より8.1%減って57万3000台にとどまった。ゴーン社長は、国内低迷について消費マインドの弱さとモデルの古さが目立ち始めていることを理由に挙げた。
2016年度は売上高11兆8000億円(同3.2%減)、営業利益7100億円(同10.5%減)、当期純利益5250億円(同0.2%増)をめざす。営業利益が10%以上も減ってしまうのは、円高の懸念など為替の影響が大きいためで、為替の影響を除けば9650億円へと増えることをゴーン社長は説明した。
国内ではEVの技術を活用したコンパクトカーと、高速道路で単一車線において自動運転を可能にした技術を実用化する予定だ。これによって国内販売は58万台(同1.3%増)に増える見通しだ。国内では2位のポジションを失って久しいが、ゴーン社長は「商品や技術、販売を通して挑戦し続け、あるべき地位(2位)へと戻る努力を続ける」と語った。
ちなみに、グローバルでは560万台(同3.3%増)の販売を見込んでいる。これはマーケットシェアに置き換えると6.3%で、今年度で終わる経営計画「日産パワー88」で掲げている8%には届かない。ゴーン社長は「まだ計画が終わるまでに1年残っていて、いま結論を出すのは早い」とした。