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富士重工から「株式会社SUBARU」へ

2016.5.12

富士重工の2015年度の売上高は3兆2323億円(前期比12.3%増)、営業利益は5656億円(同33.7%増)、当期純利益は4367億円(同66.7%増)だった。

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決算資料はこちら(PDFが開きます)


当期純利益が大きく膨らんだのは、防衛省向けヘリコプターに関する初度費用請求訴訟で勝訴したことによる特別利益482億円が含まれているから。これは一過性の利益であるため、自己株式の取得に用いて消費するという(上限1500万株)。

全世界での販売台数は95万7900台で、2014年度(91万0700台)より5.2%増えた。内訳をみると、国内が14万5300台(同10.7%減)、海外が81万3000台(同8.6%増)。なかでも米国が好調で、前年度より5万5000台増えて58万2700台に達した。それでも米国における流通在庫は少なく、吉永泰之・社長によると「60日分ほど持つのが一般的だが、スバルは20日分程度しかない」として、相変わらず供給が追いついていないことを挙げた。

2016年度の業績見込みは売上高3兆1700億円(同1.9%減)、営業利益4200億円(同25.7%減)、当期純利益2930億円(同32.9%減)。販売計画は、国内が15万6000台(同7.6%増)、海外が89万3000台(同9.9%増)、合計105万台(9.6%増)だ。

なお、SUBARUブランドが定着していることから、同社は社名を「株式会社SUBARU」に変更することを臨時取締役会で決め、6月28日の定時株主総会での承認をめざす。承認されれば、前身である中島飛行機の設立から100周年を迎える17年4月に社名変更を実施する。

15年は新型車のない谷間の時期だったが、今年から再び毎年ニューモデルを投入していく計画だ。新しいプラットフォームの実用化も始まり、その最初のモデルとして新型インプレッサが年内にリリースされる。
また、新たなプランとして、19年から新設計のダウンサイジング・ターボを実用化し、21年には自社製のEVをリリースすることも明らかにされた。

前述したように慢性的なタマ不足が続いているが、北米の生産拠点SIAでのカムリの受託生産は前倒しして今月にも終了するため、7月からアウトバックの組み立てが始まって供給不足の改善が図られる。これまでは2020年度に年産105万台の生産キャパを有することが計画に掲げられてきたが、18年度に113万2000台へと前倒しして引き上げるプランに変更(残業などフル操業すれば127万6000台が供給できる)。

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