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「常磐道一部4車線化」の唐突。
昨日の続き。
道路分科会の終盤になって、常磐自動車道の2車線区間のうち、福島県内のいわき中央ICと広野IC間26.6km(事業費900億円)、宮城県内の山元ICと岩沼IC間13.7km(同400億円)を今後5年以内に4車線化することが「候補」に上がった。福島原発関連、津波関連の復興工事等で建設土木関係の車両が多く通行している。これらの車両は現地にとどまっているのではなく、近隣から通っているため、朝夕のラッシュ時には、それぞれの箇所がボトルネックとなっている区間だ。
東日本大震災の復興を加速化させるために、当該区間の4車線化は必要だと思うが、3月10日夕刻の安倍総理の「東北観光復興元年」の記者会見における目玉のひとつとして、急ぎメニューに盛り込まれた感は否めない。
3月11日金曜日に行われた閣議後会見で、石井啓一国土交通大臣は、「大震災発生から5年目を迎える。常磐道4車線化を概ね5年で実施する。 2019年度末までに常磐線全線開通を行う。 今年を『東北観光復興元年』とし施策を総動員する。海外の旅行業者を2000人規模で招待する。東北でインバウンドが使いやすい施策を行う。 2020年に150万人泊を目標とする。2015年の3倍にする。復興の一段の加速化を行う。(常磐道の4車線化については)有識者会議、事業評価委員会に諮った。透明性の確保については引き続きやっていきたい」と説明するものの、道路分科会の傍聴者からすると、「後だしジャンケン」にも見える。
閣議後会見後、高速道路課で事情を聞いた。3月5日に安倍総理が4車線化について具体策をまとめるよう国交大臣に指示していたとは言え、資料配布を2回に分けるのは唐突感があると訊ねた。「今回4車線化に着手する区間は慢性的に状態している区間。時間はなかったが、(道路分科会の)委員の方々には事前に資料を配布させていただいた。まだ90kmの暫定開通区間が残っている」と話す。記者は国民の税金で建設費を拠出しているのだから、事業の透明性を確保して欲しいとお願いしておいた。なお、今回の4車線化区間の「用地はすでに確保されている」(同)とのことだ。今回の常磐道4車線化の建設費用は1300億円で、先の9920億円と合わせ1兆1220億円の税金が投入される。