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警察庁「最高速度引き上げの可否も含めて議論します」
警察庁「最高速度引き上げの可否も含めて議論します」
警察庁交通局交通企画課高速道路管理室と話した。昨日、6月23日火曜日に1回目が始まった高速道路の最高速度引き上げに関する有識者会議。本日現在、会議名も委員名も公表されていないので、ここでは「有識者会議」と表現する。
管理室の担当者と電話で1時間以上話した。
「提言」が出てから1年半を経て、ようやく有識者会議の開催に漕ぎ着けたのについては、国交省と行政間で最高速度上げへの実現可能性についての調査や事前準備に時間を要していたのが理由のようだ。
年度末には今年度の議論の成果について一定のとりまとめが行われると思うが、「引き上げの可否も含めて議論する」(管理室)の表現にとどまった。
もちろん(最高速度を)引き上げる議論をするのだから、引き上げるつもりがなければ有識者会議などは開かれるはずがない。私たちドライバーとしては設計速度120km/h以上、片側3車線以上の条件付きであっても、高速道路の最高速度引き上げが実現する可能性が従来以上に膨らんでいることは歓迎したい。
一方で、最高速度引き上げに当たっては、
- クルマの性能差
- ドライバーの運転技術の差
- 裁量部分の多い速度取締りの在り方見直し
- ドライバーの安全運転意識やドライブマナーの向上
など、検討すべき課題が多いのも事実だ。道路の性能が上がり、クルマの「走る曲がる止まる」の性能が上がり、ドライバーの安全運転意識がより高まっている昨今、道路とクルマの性能を賢く使い、経済効果を高め、そして安全も担保できる知恵をみんなで出していければ良いと思う。
警察庁の担当者氏もこの点では賛同してくれたようだ。日本の高速道路は先進国の多くの国々に比べて全般的に最高速度が低い。が、欧米の先進国でもクルマの通行量が多いところ、都心部などカーブが多いところでは低めの制限速度を設定している事例もある。
先に国交省高速道路課に全国の高速道路で設計速度120km/h以上、片側3車線以上の区間を確認してもらった区間である
- 東北道浦和ICから佐野藤岡IC 50km 6車線供用中
- 関越道川越ICから前橋IC 71km 6車線供用中
- 常磐道三郷JCTから水戸IC 78km 6車線供用中
- 東関東道千葉北ICから成田JCT 27km 6車線供用中
- 東名高速横浜青葉ICから秦野中井IC 31km 6車線供用中
- 九州道太宰府ICから久留米IC 25km 6車線供用中
上記6カ所の設計速度120km/hで全線6車線部分に加え、また、新東名高速の御殿場ICから浜松いなさJCT間145kmは、現状、暫定4車線での供用となっている。が、この部分は「規制線の引き直しで6車線化は可能」(消息筋)と言われている。この部分を合わせ、交通量の少ないところで部分的に最高速度上げを行い、事象を検証するなどの方法もあるだろう。実現可能性へのハードルもあるが、最高速度上げに向け、また一歩進んだと感じる取材だった。
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)