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三菱、国内販売反転は2016年から
三菱の2015年3月期(2014年度)は売上高2兆1807億円(前期比4%増)、営業利益1359億円(同10%増)、経常利益1516億円(同17%増)、当期純利益1182億円(同13%増)となった。
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グローバル販売台数は109万台(同4%増)で、中国を含むアジア地域が34万4000台(同±0%)と地域別で最多を記録した。タイは需要の低迷で減少した反面、中国での販売台数が増えたため、アジア地域全体での台数は横ばいだった。欧州(22万7000台)はロシアで減ったものの、西ヨーロッパでアウトランダーPHEVが好調に売れて結果的に13%増となった。また、北米も11万7000台となって21%増に終わった。ただ、国内は登録車のニューモデルがなく、20%減の11万5000台にとどまった。
2016年3月期(2015年度)は売上高2兆2800億円(前期比5%増)、営業利益1250億円(同8%減)、経常利益1300億円(同14%減)、当期純利益1000億円(同15%減)となる見通しだ。グローバル販売台数は110万台(同1%増)で、欧州でのトライトン(ピックアップ)発売やアジアへの新型パジェロスポーツ投入を予定している。ただし、懸案の国内販売は引き続き低迷が続く見込みで、計画値はいっそうの減少となる10万7000台(同7%)にとどまる。
三菱が目下、課題としているのはタイ、ロシア、日本の3地域における販売低迷だ。農家の収入減が需要低下につながっているタイは「いずれ回復すると見込んでいる」(相川哲郎COO談)ため、新型パジェロスポーツ投入で販売増を計画。ロシアについては「しばらく回復の見通しは立たない」(相川COO)として、アウトランダーを軸に利益重視の販売を続けていく予定だ。そして国内においてはPHEVとクリーンディーゼルの環境対応車に重点を置くという。
将来の展望について相川COOは利益重視として「電動車両」「SUV」の2つのキーワードを何度も用いて説明した。「FFベースのPHEVを開発している」「2016年春以降に国内に新型RVRを投入し、2014年と2015年で底を打った後、登録車の台数を伸ばしていく」「新しい小型ディーゼルエンジン搭載車を国内に投入する計画もある」と、矢継ぎ早にニューモデル投入を予告した。
なお、インドネシアで人気の小型MPVも発売すべく、17年4月の操業開始をめざして工場を建設しており、周辺国にも輸出できるほど高い商品力を持たせるという。