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ボッシュが記録的売上を達成。報告会見でコネクテッドカーを披露
ボッシュは6月8日(水)に年次報告記者会見を行った。会見の場にはボッシュの代表取締役社長ウド・ヴォルツ氏が立った。それによると2015年のボッシュグループの売上高は史上最高の706億ユーロに達したという。その要因としては、折半出資の合弁会社だったオートモーティブステアリングとBSH Hausgerateの2社の完全子会社化が売上高を押し上げたものとしている。グローバルでの売上高は前年比10%増、為替調整後で3.8%に相当し、ボッシュにとって2015年は成長目標と収益目標を達成した好調な年となった。2016年の成長率目標も3〜5%を見込んでいる。
なお、日本国内での売上高については中国の景気減速などの影響により前年比3.8%減となり、第三者連結売上高は2700億円だった。ただし、日本の自動車メーカーに対する全世界での売上高は前年比17%増という大きな成長を遂げた。2016年についても自動車のセーフティシステムやガソリン直噴システム、医療用検査・包装技術などへの需要増加が見込まれていることから、売上高はわずかに改善するものと見込んでいる。2016年末には、すでに世界41カ国に提供している自動緊急通報サービス「eCall」のサービスを日本でも開始する予定であり、日本の自動車メーカーに対する売上は2021年までの6年間で2桁の年平均成長率を目指す。
今回の会見には、5月2〜4日にベルリンで開催されたデジタル社会に特化した国際イベント「re:publica2016」に出品した新しいコネクテッドカーのコンセプトカーも披露された。このクルマはボッシュのIoT技術と自動運転技術とが組み合わさることで、クルマと住まいがネットワークでつながった社会や、車内がドライバーにとっての新たなコミュニケーションの場となるような自動運転が切りひらく新たな可能性を示したコンセプトカーとなっている。
具体的には、車内でのインターネット会議が可能になったり、クラウドやSNS、通信アプリなどで最新の交通情報などの入手や家族や友人とのコミュニケーションが容易になることで、クルマが単なる移動手段ではなくドライバーのあらゆるサポートを行うパーソナルアシスタントのようになっている。さらにはIoTによってネットワークにつながったスマートハウスと通信することで、例えばインターホンの受け答え、遠隔操作による玄関の開閉、指紋認証をつかった荷物の受け取りなどが可能となる。ただしこれらの機能はすべて自動運転時のみ使用できるような形で切り離されている。
ボッシュではHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)が統合されたこの新たなコネクテッドカーを2021年には実現させたいとしている。
■ボッシュ・イン・ジャパン www.bosch.co.jp
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