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交通研が三菱eKワゴンの走行抵抗値の確認試験を実施
5月2日(月)、独立行政法人・交通安全環境研究所(交通研。現・自動車技術総合機構)は、三菱自動車の燃費データ不正問題を受けて、異例ともいうべきeKワゴンの走行抵抗値の確認試験を実施した。
三菱自動車の不正は、型式指定を受ける際に提出する走行抵抗値の値が日本で使われている「惰行法」によるものではなく、アメリカなどで使われている「高速惰行法」だったとされている。走行抵抗値とは、タイヤの路面抵抗やボディの空力抵抗などの影響でどれくらい減速するのかを図った数値であり、この数値をシャシーダイナモに入力して燃費などの計測を行うのだが、この計測方法が異なっていたということである。
日本で採用する惰行法は、ニュートラルの状態から惰性で走行して時速90キロから10キロ刻みでどれくらい減速するのかを時速20キロまで図った数字の平均である。ちなみに高速惰行法とは、その名のとおり時速150キロくらいの速度まで上げて、そこから1秒ごとに時速何キロ速度が落ちるのかを図るやり方だ。
本来この走行抵抗値は自動車メーカーが型式指定を受ける際に交通研に提出するので、交通研が走行抵抗値を計測するようなことはない。なぜなら、走行抵抗値は天気や計測時の風速など気象条件によって左右するため、もしも交通研が1台ずつ走行抵抗値まで計測していたら型式指定までに相当な時間とコストがかかってしまうためだ。ある意味三菱はその抜け穴をうまく利用した格好になる。
今回、交通研がeKワゴンを惰行法によって走行抵抗値を計測したことで、そのデータをもとに燃費や排出ガスなどの型式指定の試験をやり直し、6月くらいには正しい数値が発表されることになるだろう。それでもしも現在のカタログ燃費と誤差があれば修正されることになる。もちろんエコカー減税についても見直される可能性もある。また、今回は現在販売されている2016年型で計測したが、交通研では15年型、14年型についても順次走行抵抗値を計測して燃費、排出ガスを計測し直すとのことだ。
はたして今回のデータ不正によってどれくらいの誤差が出るのか結果を見守りたい。
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