News
無音で発進する車重2t超のボルボXC90
ボルボの新時代を切り拓く車種として1月に国内デビューしたXC90のトップには、T8と命名されたパワートレインを有するプラグインHV(1009.0万円)が用意されている。
T6と呼ばれる2Lターボ&スーパーチャージャー(320ps/40.8kg-m)でも十分な動力性能が確保されているのに、そこに87ps/24.5kg-mの後輪用モーターを追加。フロントにもスターターと発電機の役割を果たすモータ(46ps/16.3kg-m)が組み込まれており、加速時ににブースターとしてエンジンをアシストする。
ドライブモードが複数から選択できるのはガソリン車と同じだが、125km/hまでモーターだけで走れるピュア・モード、エンジンとモーターを最適に使い分けるハイブリッド・モード、バッテリー残量が33%を下回らないよう制御されるセーブ・モードはいずれもT8専用。バッテリー残量や効率を考えると決して賢い乗り方とは言えないが、ピュア・モードのまま高速道路で合流して流れに乗っていける加速力は爽快だ。
パワー・モードに切り替えるとエンジンが絶えず稼働し、直4ならではの勇ましいサウンドをあえて聞かせる演出も。
減速時には後輪モーターで回生してエネルギーを回収するものの、ハイブリッドカーのような独特の音は聞こえない。回生量も多くはないようで、クリスタルガラス採用のシフトレバーを手前に引いてシフトダウンしてもバッテリー残量がグングン増えるようなことはなかった。
それでも車重2340kg、全長5mに迫るラージSUVが無音で静かに動き出す光景は、やはり異次元としか言いようがない。コーナーでステアリングを操作した時の応答性は悪くないが、追従性はガソリン車に比べると、やや不利か。
今年のXC90の日本への割当台数は500台。そのうち、すでに350台が売約済みで、モデルによっては夏以降まで生産を待たなければいけないという。しかも、輸入元が想定していたよりも上級グレードの売れ行きが好調で、実車が見られない段階にもかかわらずT8の構成比が16%に達しているのも驚きだ。
前の記事: << ビー・エム・ダブリュー東京が最新鋭の集中サービス工場「木場サービスセンター」を江東区に開設。
現在の記事: 『無音で発進する車重2t超のボルボXC90』