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交通事故の無い社会を目指して。トヨタ、ベトナム初『安全運転インストラクター』誕生
トヨタは交通安全を実現するため、各国でさまざまな社会貢献活動を行っているという。事業開始から20周年を迎えたベトナムトヨタでは、ベトナム公安省の交通警察局と共同で「トヨタ安全運転インストラクター養成プログラム」を実施し、ベトナム初となる8名のインストラクターが誕生した。
ベトナムでは2015年、約23,000件の交通事故が発生し、8,671人が死亡するという厳しい交通状況。ベトナムトヨタは、警察と一体となって、ベトナムの方々に安全運転の知識や技術さらに安全の心を伝える「安全運転インストラクター」の養成に着手した。
トヨタ自動車は、訓練内容についてのアドバイスや講師の派遣など、プログラム全般を支援。ベトナムトヨタ社員と交通警察官から選抜された8名がインストラクター養成プログラムに参加し、2014年8月から1年以上にわたる訓練を開始した。
トヨタ自動車でテストドライバーや安全運転インストラクターとして30年以上の経験を持つ神野が講師となり、運転姿勢、ハンドル操作などの基礎から、緊急回避ブレーキやスラローム走行など3S走行(Safety, Smooth, Speedy)中心に高度な運転技術の訓練を実施。加えて、クルマの構造を理解する重要性や安全に対する心構えについて学んだという。
二輪車が主流のベトナムでは、訓練生たちは全員、マイカーを保有していないため、この講習以外にクルマに乗る機会が殆どない。したがって、安全運転スキル習得には、各自大変苦労したという。毎日アフター5に会社内の駐車場で業務用車を使い訓練の復習をしたり、イメージトレーニングをしたり、日本人では想像できない努力をしていたそうだ。
訓練は運転実技以外にも、トヨタ自動車から講師を派遣し、日本で実施している反射材やチャイルドシートの重要性、飲酒運転の危険、加齢に伴う身体変化など、交通安全に関わる幅広い知識を体験ツールを使い伝授。教え方もマスターしていった。講習は日本語からベトナム語に通訳され、優秀な通訳のお陰で活発な質疑応答となったそうだ。
ベトナムトヨタのトゥロングさんは次のように語っていたそうだ。「交通事故防止は、お年寄りやこどもの行動を理解し、常に思いやりの心を持ち、運転することなど多くを学びました。今後自分が教えていく立場として、教えていただいたことをしっかり伝えていきたいと思います。」
2014年8月から2015年10月までに5回の講習が開催され、2016年3月9日にはインストラクター認定試験が行われた。運転技術については、高速のタイムトライアルテストで3Sの習得の見極め、交通安全知識、マインド、交通安全の啓発の指導方法は、自身がインストラクターを務める模擬講習の形式での試験を実施。これまでの努力が実り、8名全員が無事合格した。
3月11日には、卒業式典が開催され認定証が授与された。列席したベトナム公安省のタン副大臣、トヨタ自動車の小平副社長ら関係者からインストラクターに対して、交通安全の心をこれからベトナムに広めていかれるようにとの期待が述べられた。
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