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国産ディーゼル車には不正ソフト確認されず。しかし路上走行試験で最大10倍程度の乖離
国土交通省は、国内で販売されているディーゼル車にフォルクスワーゲン(VW)社同様の不正プログラムがないかを検証するため、国内で販敗されているディーゼル車について台上試験および路上走行試験による排出ガス試験を行い、その結果を公表した。
2015年9月に発覚したVW社のディーゼル乗用車等での不正ソフト問題を受けて、国交省および環境省では「排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」を設置。通常の台上試験だけではなく、PEMS(車載式排出ガス測定システム)を用いた路上走行検査を実施することとなった。
今回試験を行った国産メーカー4社(トヨタ、日産、マツダ、三菱)の6台については、事前に各社から報告のあった保護制御の範囲内で推移するNOxの排出量であることが確認でき、VWと同様の不正ソフトの搭載は確認されなかった。
しかしながら、台上試験と路上走行試験の結果を比較するとNOxの排出量に乖離があることが確認され、マツダ車を除いた他のメーカーでは台上試験の規制値よりも2〜5倍程度、最大で10倍程度の乖離があった。なお、同様の調査は欧米でも実施されており、同程度の乖離があることが確認されている。
国交省はこのような結果になった主な要因として、試験環境(気象、路面、車両重量、渋滞等)や運転方法(急発進、急なアクセルワーク、エアコン使用等)の相違によるもので、大幅な乖離があったものについては、外気温が低い場合などでエンジンや排出ガス低減装置を保護する制御が働いたためと考察している。保護制御の範囲については現在規定がないため、自動車メーカーごとに考え方の相違があったことがこのようなNOx数値の乖離やメーカーごとの相違につながったものと考えられる。
今回の結果を受けて国交省では、大気環境保全を念頭におきつつ、今後もPEMSを用いた路上走行検査を新車時に加えて使用課程での抜き取り調査についても強化するとしている。また、今回の調査は冬季に実施したこともあり、環境条件が異なる状態での評価も行うなど、来年度の追加調査の内容について検討するとしている。今回の結果を受けた第3回検討会および中間とりまとめは4月に開催される予定だ。
■排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会
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