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自動車総連、春闘方針取り組み案を決定 ベア3000円以上、非正規も時給20円基準に要求

2015.12.18

自動車総連、春闘方針取り組み案を決定
ベア3000円以上、非正規も時給20円基準に要求

記者会見の冒頭、相原康伸会長は、来年度の春闘方針の取り組み案について説明を行った。
第6回中央執行委員会で、1月14日開催の第83回中央委員会に上程する2016年度の春闘方針についての取り組み案を決めた。
3000円以上の賃金改善分を設定する。非正規労働者についても同額を設定する。
相原康伸会長は、豊かな雇用、質の高い雇用を次世代につないでいくことを強調した。

質疑応答。
Q 3000円以上の賃金改善分について。
A 念頭に置いているのは、職場の努力に報いたいということ。要求基準に、すべての労組は結集し、成果に結びつけていきたい。
デジタルで算出したものではない。職場の努力や生産性など、様々な観点から考察を重ねてきた。

Q 直接雇用の非正規労働者への取り組みについて。
A 賃金改善を要求することとした。賃金改善分について、正規の3000円以上を踏まえて、時給20円を基準とした。こういう形で設定したのは初めて。

2014年、2015年は賃上げが獲得できた。これは大きな成果。一方で、日本の市場は厳しい状況にある。自動車産業における中堅中小労組の競争力をいかに高めるか。
今回から「サプライチェーン」の言葉をつかわない。部品メーカーは単なる供給網ではなく、「バリューチェーン」として、付加価値の最大化、適正な評価をいかにしていくかに努める。海外からもたらされる利益は、国内での努力があってこそ。
まだ検討に着手したところ。年明けにかけて具体策を打ち出していく。少し足の長いテーマになろうかと思う。現状は格差が広がった実態にある。

Q 本日、補正予算が閣議決定された。
A 働き方改革は、自動車総連にとっても重要なテーマ。労働時間短縮だけでなく、多様な働き方ができるかも大切。

Q 昨年は6000円以上だったが?
A 昨年の6000円を頭に置いた議論経過をたどっていない。0ベースで検討した。
デフレ脱却、経済好循環、底上げに向けた具体策を作る。そういうストーリーで検討してきた。

Q 一時金について。
A 年間賃金の重要な一部。安定的な向上を図っていく。年間5カ月を基準とし、少なくとも昨年以上の金額を獲得していく。

底上げ格差是正と3000円以上を要求基準として結集したい。企業規模、業種、業態によらず。1月14日に決定した際には、結集感を高めていくことになろうかと思う。
結集したいということは、水準感として3000円以上ということ。要求段階から3000円以上で結集する。各単組の要求基準は、自らの要求基準であると同時に、仲間を支える要求基準でもある。

Q 非正規労働者の時給20円について。
A それぞれの単組において、様々な雇用形態がある。昨年、職場全体のチームワークで得られた利益は、職場全体で共有していくとしたが、必ずしも成果が得られなかった。今年はこれをしっかりやっていくということ。
平均賃金改善3000円に対して、時給20円は、総連の平均163時間の労働時間から割り出した。正規従業員と連動した形での考え方の目安を示したもの。一律20円を要求したというわけではない各単組の受け止め方があるだろうと思う。

Q 日銀の金融政策決定会合の結果について。
A 政府をはじめ大変チカラを入れられていることを承知している。デフレ脱却、経済好循環に向けて、スピードを落とすことなく進められるのか否か、大変大きな岐路にある。労働条件改善や、中堅中小労組の生活改善という重要なテーマだと考えている。

Q 物価上昇がほぼない、原油安の中で、どのような形で賃上げを求めていくのか?
A 物価はひとつの交渉材料として重きを置いてきた。本年も変わらない。だが、様々な判断要素がある。それだけを持って交渉されるわけではない。様々な努力と、その成果に則ってやっていきたい。
Q 格差是正、底上げについて。
A 3000円以上の要求基準を示したので、そこに結集したい。本年はこれを下回る要求は極力減らしたい。できることをすべてやって大きな成果につなげていきたい。


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