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トヨタ自動車、ワールドワイド・パラリンピック・パートナー契約締結 豊田社長が挨拶
トヨタ自動車は、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee 以下、IPC)との間で、東京パラリンピックを含む2024年までのIPC「ワールドワイド・パラリンピック・パートナー(Worldwide Paralympic Partner)」スポンサー契約を締結し、東京にて発表会を実施。豊田章男社長が以下の挨拶をした。
本日、トヨタがワールドワイド・パラリンピック・パートナーになりましたことをご報告でき、とても喜ばしく、光栄に思っております。
クレイヴァン会長は、「障がいのある方が、より社会に参加するためには、移動の自由が鍵を握る」と言われています。一方で、「今の社会では、移動が本当に大変だ」という声も伺っています。
誰かが何かにチャレンジしたいと思っている時、もし、「移動」が障害になっているのであれば、私たちトヨタはその課題に正面から向き合いたい。「移動」がチャレンジするための障がいではなく、夢を叶えるための可能性になってほしい。
これがトヨタの思いです。
「MOVE」という言葉には、人や物の「移動」という意味だけでなく、「感動」という意味もあります。「移動」そのものが、人々に「感動」を与えるものであってほしい、人生を豊かにするものであってほしい。私たちはそう考えています。
クレイヴァン会長は「パラリンピアンはファイターである」、そしてパラリンピアンは「決してあきらめない」と言われました。人は誰もが何かと戦っていると思います。そして、あきらめないということが、とても難しいことだと知っています。だからこそ、戦い続けるアスリートの姿に、心を揺さぶられるのではないでしょうか。
2011年、私は、タイの大洪水の対応で現地にいました。日本では、トヨタの女子ソフトボール部が、日本リーグ優勝をかけて戦っていました。試合はゼロ対ゼロで延長戦となりました。「2点を失った」との連絡が入った時には、正直、「負けたかな」、「帰ってきたらどんな言葉をかけようか」と考え始めていました。
しかし、結果は、その裏に3点をあげて、劇的なサヨナラ勝ちでした。胸が熱くなりました。試合に勝ったからではありません。ベンチの選手たちも、応援団も、全員がチームの勝利を信じて、決してあきらめることなく、声援を送り続けたことがたまらなく嬉しかったのです。当時、会社は厳しい状況でした。震災、タイの大洪水と続き、会社が戦っている時だったからこそ、決してあきらめない姿に勇気づけられました。
彼女たちの胸には「TOYOTA」の文字があります。まさに、彼女たちは、会社を背負って戦っているのです。だからこそ、私たちは、彼女たちの姿に、自分自身を重ね合わせるのだと思います。そのとき、私たちの心はひとつになります。心がひとつになる、それを実感できることは、大変幸せなことです。
私がソフトボールの選手に、会社や自分自身を重ねたように、パラリンピアンの戦う姿に、夢を、可能性を重ねる人たちがいます。パラリンピアンは「自分の限界を超え、可能性を広げるために」戦い、さらに自分を支えてくれている「誰かのために」戦っています。パラリンピアンがもたらす強い「感動」や「尊敬」の感情によって、私たちの心はひとつになります。クレイヴァン会長の言われる、‘One World, One Dream, One People’に、私たちは近づくことができるのだと思います。
私たちトヨタは、パラリンピックを通じて、「移動の自由」の実現と、「スポーツの感動」を広げる活動にチャレンジしたいと思います。グローバルトヨタ34万人がバッターボックスに立つこと。それこそが、私たちのパラリンピックへの関わり方だと考えております。できないことはないと信じております。
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