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住友ゴム工業、新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」が完成

2015.11.2

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住友ゴム工業は、2011年に完成させた独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」をさらに進化させる研究を進め、このたび大型放射光施設「SPring-8」・大強度陽子加速器施設「J-PARC」・スーパーコンピュータ「京」を連携活用することで、ゴムを分子レベルで忠実に再現したシミュレーション解析により、タイヤの相反性能である低燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性能の大幅な向上が可能となる「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を完成させた。この新技術を採用したコンセプトタイヤ「耐摩耗マックストレッドゴム搭載タイヤ」を「第44回東京モーターショー2015」に参考出品している。

 

今回完成した「ADVANCED 4D NANO DESIGN」は、低燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性能という、相反性能であるタイヤの三大性能を高い次元で両立するために、ナノからミクロンレベルまで、ゴムの内部構造を連続的かつ鮮明に解析し、シミュレーションすることを可能とする技術。

 

大型放射光施設「SPring-8」でゴムの構造解析を行い、世界最高クラスの中性子・素粒子実験ができる大強度陽子加速器施設「J-PARC」で運動解析を行うことで、ゴムの内部構造と分子の運動を鮮明に観察することが可能となり、これまで見えなかったシリカ界面ポリマーの構造や運動、硫黄架橋の不均一性・硫黄架橋長さ分布、シリカネットワークの運動などを捉えることに成功した。

 

さらに、スーパーコンピュータ「京」によって、広い領域を分子レベルでシミュレーションすることにより、ゴム内部のストレスや発熱が発生している箇所を同時に特定することが可能になった。この成果を用いたコンセプトタイヤが「耐摩耗マックストレッドゴム搭載タイヤ」だ。このコンセプトタイヤのトレッドゴムは、低燃費性能とウエットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性能を200%に向上させることに成功している。今後は「ストレスコントロールテクノロジー」の活用によりタイヤの三大性能を高次元でコントロールし、向上させることが可能となるそうだ。