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ルフトハンザ航空の日本支社長が12年ぶりに交代
ルフトハンザ航空の日本支社長が12年ぶりに交代
*自動車関係者を彷彿させる、オットー・ベンツ氏の退任
ヨーロッパを代表する航空会社として世界101ヶ国261都市(本年10月現在)の都市を結ぶ「ルフトハンザドイツ航空(Deutsche Luft Hansa AG)」(以下ルフトハンザ)。1961年日本に飛来以来、成田はじめ、羽田、中部、関西の4空港に就航。ドイツ側のハブ空港であるフランクフルトとミュヘン両空港との間で週35便を運航(本年10月現在)。旧くから関係が深い日独間のビジネス客のみならず、観光客輸送を担っている。その日本支社を統括してきたオットー・ベンツ(Otto F. Benz)支社長が12年間の日本勤務を終えてこのほど離任に。新たに同社米国支社から新たなドナルド・ブンケンブルグ(Donald Bunkenburg)新社長が赴任したのを機会に、ドイツ本社からカール・ウルリッヒ・ガーナート(Karl Ulrich Garnadt)CEOが来日。このほど都内で会見が行われた。
通常3~4年ぐらいで交代する国内外企業の海外勤務。ベンツ前支社長はその3倍の長期にわたる日本勤務経を験。筆者も以前からドイツ関係のイベントなどで親しくしていたので、このたびの離任が惜しまれる。氏名からしてドイツ車のブランドと同名にて、さぞかしその関係かと知り合って間もないときに聞いてみたが、それはとり越し苦労の質問だった。会見後の懇談で「永く関係の深い日独間での役割りを果たせた安堵と多くの日本の関係者との名残は惜しい。ドイツに戻っても、日本での経験をいかしつつ次の仕事に励みたい」と締めた。片や新任のブンケンブルグ支社長はアメリカ人。ドイツ系の氏名を感じながらもアメリカ人ビジネスマンらしい、フランクな雰囲気が今後に期待される。
*さらなるフライト品質とブランド向上を目指す、ルフトハンザ航空グループ
新旧日本支社長の交代を機会に来日したドイツ本社のガーナートCEOからは、ルフトハンザ・グループの再編構築や航空会社同士の提携関係となるスターアライアンスや全日空(ANA)とのさらなる関係強化に関する説明が行われた。
まず同社のお膝元であるヨーロッパ地域の再編では、今年3月系列子会社のLCCとなる「ジャーマンウィングス(Germanwings)」での事故を踏まえて、同じ子会社である「ユーロウィングス(Eurowings)」が起点にしているベルリンやケルン空港をハブに、従来からのヨーロッパ各地や成長著しい東南アジア。米国との国交回復で今後観光需要などが期待されるキューバやカリブ海方面とのリゾート・エアラインとなる、2点間輸送(P2P=Point To Point)を担うエアラインとして展開するとのこと。さらにグループ企業となっているスイスインターナショナルエアラインズ(Swiss Interbational Air Lines)はじめ、オーストリア航空(Austrian Airlines)などとの、マーケティング展開や運航現場でのサービス体制の強化と浸透。さらに機材運用や整備面などについての見直し、一体性を図って行く旨の説明が行われた。これにより各社ごとのブランドを保ちつつ、経営面から末端サービスに至るまで、ルフトハンザ・グループのスケールメリットをいかした共通の経営展開をしていくとのこと。
そして日本案件として、「The J+」の共同テーマを設定。ルフトハンザはじめ、スイスインターナショナル、オーストリア航空とANAとの共同運航便の強化とそれぞれの国、地域各地へのサービス向上を目指す、スターアライアンスのメリットを図ろうというものである。普及、進化する機内でのWi-Fi利用やネット環境の利便性など、グローバルエアラインの高みを目指す、ルフトハンザ・グループの努力が続く。
浜田拓郎
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