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軽商用車に交じってS660生産
いま納車待ちの長い行列が発生しているS660は、長らくホンダの軽自動車の生産を担ってきた八千代工業が組み立てている。
「ミッドシップの軽自動車を、既存設備を使って手の届く価格 で実現するために少量混合生産を行っている八千代工業での生産を提案した」と説明するのは、S660の開発責任者を務めた椋本陵さんだ。まだ クレイモデルの段階で八千代工業に持ち込み、めざす姿を早くから共有したという。「ちょうど1年前に初めて量産試作を製作したが、そこから『決められた時 間で作れるか』『チリ合わせなど精度を高めるための根気がいる作業に、ホンダと八千代工業が力を合わせて取り組んだこと』が印象に残っている」と椋本さん は振り返る。
取材時にはほぼ3台おきにS660が組み立てら れる割合だった。1日あたりの生産枠48台を大きく増やす予定はないそうだが、これはラインで車体を吊り下げるハンガーの関係上、生産量の40%をホイー ルベースの短いトラックで占める必要性が関係している。生産ラインでロボットが活躍していた箇所は限られ、むしろ人の手で組み立てられているとの印象が強 かった。
ボディの組み立てでは車内にジグを設置するインナー方式を採用。外側にパネルを仮留めし、溶接をロボットが実施。しかも、これが3回繰り返されるため、ボディは行ったり来たりして、一般的にはラインで見られない「後戻り」も。
商用車のアクティと違ってS660のエンジンは上から留める作業が必要だ。そのため、専用の作業台(左に見える青い階段)が設置された。
もちろん、出荷前のテストも入念に行われる。あとにはS660の専用チェックラインも設けられており、軽商用車よりも厳しい品質確認が行われていた。
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