MagX

MagXは車のスクープ情報誌、月刊「ニューモデルマガジンX」の公式ウェブサイトです。

News

タカタ、「バッドウイング形状」採用した インフレータの優先交換を発表へ

2015.6.2

タカタ、「バッドウイング形状」採用した

インフレータの優先交換を発表へ

 

タカタは本日、6月2日、アメリカ下院で行われる公聴会で、運転席エアバッグのうち、バッドウイング(コウモリの羽根)形状と称される扇形のタブレット状のガス発生剤を封入した旧型のインフレータを全面的かつ優先的に新型インフレータに交換することを発表する。対象台数は世界全体で約1760万台。なお、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)と合意した3400万台の運転席、助手席エアバッグの全数回収調査の中にバッドウイング形状を採用したインフレータが含まれている。

http://www.takata.com/

バッドウイング形状を採用したインフレータを搭載した運転席エアバッグについては、すでに全数回収調査が発表されている。対象のインフレータを採用したクルマは、ホンダ、マツダ、BMW、フォード、クライスラーの5社で使われている。5月28日、ホンダはすでに日本国内分について、全数回収調査からリコールに切り替えて発表済み、他の4社の対応が待たれるところだ。

http://www.takata.com/pdf/150520_JP.pdf

タカタ広報担当の説明によると、バッドウイング形状は「現在、新規に生産されているインフレータには採用していない」としている。新型では、「形状を小さくして生産性を向上させ、品質のばらつきが少ないものとなっている」(同)との説明があった。

また、一部報道にあったタカタがインフレータのガス発生剤に硝酸アンモニウムの使用をやめるとの報道には、「現状では使わないとは言っていない」(同)とした。

タカタには今回の一連のエアバッグ不良に対してユーザーの安全安心を最優先した行動を取ってもらう同時に、下を向かず、未来のクルマの安全向上に貢献することで、信頼回復を果たしてもらいたいものだ。

 

そ れにしても日経が変な日本語を創作したのは、本当に迷惑だ。 「調査リコール」などという日本語が存在しないことは、この言葉を日経が使い始めた頃から国交省記者会見の場でも指摘してきた。法律に「調査リコール」な どという言葉は存在しない。リコールか改善対策かサービスキャンペーンの3つしか日本語にはない。
疑わしきは「全数回収調査」しているという表現が正しい。この点は今日も当局と話したところ。
ホンダがタカタの対応を見て、5/28にいち早く対象車種を全数回収調査から正式リコールに切り替えたことは評価できる。

全数回収調査対象のバッドウイング形状採用のインフレータ搭載車の正式リコールについてマツダとBMWに確認作業を行っている。マツダは「マツダ車が対象に含まれていることは承知している。現在、調査中」(広報部)と話すにとどまる。
が、記者の見立てでは早ければ今週中にもリコールとなりそう。

BMWジャパンと話した。
「今年1月に1万8000台の運転席エアバッグについて調査回収を発表している。本国からの調査結果を待っているところです」(広報部)との説明だった。該当するクルマはなる早でインフレータ交換を実施しよう。

取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)


前の記事:

現在の記事: 『タカタ、「バッドウイング形状」採用した インフレータの優先交換を発表へ』

次の記事: