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ANAホールディングス、次期社長に片野坂真哉副社長を指名

2015.2.16

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全日空グループの統括会社であるANAホールディングス株式会社(ANAHD)は2月13日に開催された臨時取締役会にて、同社代表取締役副社長の片野坂真哉(かたのざか・しんや)(59歳)氏が、本年4月1日をもって同社代表取締役社長に昇格することが決定し、2月13日に記者会見が行われた。これによりANAHD立ち上げ前の2009年からグループをけん引してきた、代表取締役社長の伊東信一郎(64歳)氏は代表取締役会長に。また、取締役会長の大橋洋治(75歳)氏は相談役へと、新たなANAグループトップの陣容が固まりつつある。

 

*入社試験でJALに断られる

 片野坂氏は昭和30年7月4日生まれの鹿児島県出身。同社では初の昭和30年代生まれの新社長が誕生したことになる。幼少期からかって鹿児島市内の鴨池地区にあった鹿児島空港の飛行機を観て育ったこともあり、東京大学法学部在学中に日本航空(JAL)を受けたものの断られたが、同時期に受験した全日本空輸に合格・就職。以来、運航本部で乗員計画業務を担当。その後は営業推進本部のマーケティング室やレベニューマネジメント部長。さらに人事部長や執行役員を経て、2013年からANAHDの代表取締役副社長を担ってきた。

 片野坂新社長のモットーは「安全・お客様・成長」。”心は千里にあり”の座右の銘に、

「全社・全員で頑張れば、必ず良くなるを常に業務に活かして行きたい」と抱負を述べる。指名役の伊東現社長も「視野が非常に広く、行動力や仕事に対する熱意が非常に高い」と評価する。

 

*世界路線に青い機体を飛ばす努力を

 50代での新社長就任とネアカの精神を執務に活かしてもらうのが期待される一方、国内外のエアライン事情は依然厳しいものがある。記者からは、四半世紀続いたコードシエアのヴァージンアトランティック航空の成田からの撤退やスカイマークの経営破綻など、ANAHDを取り巻く環境は、あんたんとしていられない。羽田の発着枠ではJALに勝るものを得たものの、いわゆる”成田縛り”(羽田発着便申請に対する、成田便運航要請確保の国交省指導)もあり、とくに海外の提携エアラインから就航を敬遠される課題も残る。スカイマークについてのコメントは現在流動中にて詳細コメントは控えたが、しばらくはその動向を見守りつつ態勢はとって行きたいとのこと。

 さらにJALとの競合関係について記者団から”トータルでトップエアラインに?”との質問に、「昨年実績で売上高では達成したものの、営業利益の面で再生支援効果のJALに譲る部分があるので、今後ともコスト面を含めた努力は惜しまない」と挑戦コメントに。さらに傘下にある2社のLCC(格安航空会社=ピーチ・アビエーションとバニラエア)についても、安全運航と収益確保のサポートや路線拡大に期待したいと。同時に現在沖縄をハブとしている貨物部門については、今後とも成長が期待されるアジア地区にもうひとつ設けたいとの意向。その他具体的な計画は4月の正式就任後に改めて発表したいと述べつつ、「とにかくANAグループの象徴である青い翼を、より多くのエリアや路線に反映できる環境や、スターアライアンス・グループの発展に努めたい」と拡大路線の手は緩めないとのこと。その片野坂新社長、自宅では夫人と二人のお嬢さんに囲まれて、むしろ居心地は狭いと結ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浜田拓郎

 


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