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Toyota Research Institute、ミシガン大学と人工知能研究の加速に向け連携
トヨタが今年1月に米国に設立した人工知能技術の研究・開発を行うToyota Research Institute, Inc.は、人工知能関連の研究でミシガン大学と連携する。TRIは今後4年間で2200万ドルを投じ、クルマの安全性向上、生活支援ロボットや自動運転をはじめとする領域での連携研究などの取り組みを行っていくという。
今回の連携は、TRIを含むトヨタのアナーバー地区におけるこれまでの取り組みや協力関係に根差したもの。トヨタの北米における技術開発拠点であるトヨタテクニカルセンターは、同大学と共に長く安全技術などの研究を行ってきた。また、走行実験施設「Mcity(エムシティ)」の運営を担う同大学のモビリティ・トランスフォーメーション・センターを、スポンサーとして設立時から支援してきた。こうした中、TRIは本年6月、アナーバーに第3の拠点を設立。同大学のライアン・ユースティス教授とエドウィン・オルソン教授が、自動運転研究を加速するため、教授職との兼務でTRIアナーバー拠点に参画している。
今回の連携にあたり、TRIのギル・プラットCEOは「トヨタは長きに亘り、ミシガン大学と大変良好な協力関係を構築してきた。今回、モビリティが抱える複雑な課題を人工知能で解消すべく、連携を拡大するに至ったことをうれしく思う。より安全・安心で効率的な移動手段をお客様にご提供すべく、同大学の研究者や学生の皆さんと共に新たな知能化技術の開発に取り組んでいきたい。また、モビリティ技術を活用し、高齢者や特別な助けが必要な方々を室内でサポートする技術にも注力していく」と述べた。
ユースティス教授は「我々の研究室ではこれまで、ロボットが周辺環境を認識・理解する能力の限界に挑んできた。今回TRIを通じ、そうした取り組みを現実の製品に応用する貴重な機会を得ることができるだろう」と語った。オルソン教授も「TRIは、自動運転が抱える課題に取り組むべく、他車の動きからその意図を読み取るなど複雑な挙動を解析する我々の研究を活用していくことになるだろう」とコメントした。
ミシガン大学の研究部門のバイス・プレジデントであるジャック・フー教授は「ミシガン大学では、ヒトやモノの移動をより安全で効率的なものにするため、コネクティッドカーや自動運転車の革新に向け産学官連携を密に進めてきた。トヨタとの連携拡大は、そうした目標達成に向けた取り組みを加速させるだろう」と述べた。
なお、ミシガン大学は今回の連携にあたり、学内の教授や学生を対象に、モビリティ、安全性向上、生活支援ロボット等における課題解決に向けた提案を募集。アレック・ガリモア教授は「ミシガン大学は何十年にも亘り、自動車研究開発施設の幅広い発展を支援すべく、アイデアや人材を提供してきた。トヨタとこれまで以上に密に連携し、グローバル規模で新たな時代の技術革新を起こしていきたい」と語った。
TRIは当面、5年間で約10億ドルの予算のもと、主に4つの目標を掲げ、人工知能研究に取り組んでいる。具体的には、1)「事故を起こさないクルマ」をつくるという究極の目標に向け、クルマの安全性を向上させるとともに、2)これまで以上に幅広い層の方々に運転の機会をご提供できるよう、クルマをより利用しやすいものにすべく、尽力していく。また、3)モビリティ技術を活用した屋内用ロボットの開発に取り組むほか、4)人工知能や機械学習の知見を利用し、特に材料科学分野において、科学的・原理的な研究を加速させることを目指すという。
なお、トヨタはスタンフォード大学およびマサチューセッツ工科大学と、それぞれ2500万ドルの予算を投じ人工知能の連携研究センターを設立。TRIも両大学の近くにそれぞれ拠点を設け、共に研究を進めているそうだ。
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