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三菱、今期純損益1450億円の赤字見込み 日産との協業あっても信頼回復へ遠い道のり
三菱、今期純損益1450億円の赤字見込み
日産との協業あっても信頼回復へ遠い道のり
三菱は、2016年度の業績見通しを発表した。一連の燃費不正事件が響き、特別損失1500億円を計上、営業利益への影響550億円を見込んだ。この結果、売上高は1兆9100億円、営業利益250億円の黒字、当期純損益は1450億円の赤字とした。
なお、前年度は売上高2兆2678億円、営業利益1383億円、当期純利益725億円の黒字だった。国内販売台数見込みは、登録車3.2万台、軽自動車2.8万台の合計6万台とした。設備投資は前年度比18%増の800億円、研究開発費、同23%増の970億円と、成長戦略のための投資を強化する。
購買、生産、開発、販売、金融など、日産自動車とのアライアンスは多岐にわたるとする。
以下は質疑応答。
お客様への支払い500億円を除く特別損失1000億円は保守的に見積もっている。増えることはないと考える。
国内販売への影響は?
ブランド価値の毀損もあり、深刻な影響がある。5月は全体で前年比50%だが、登録車は91%。今年度は6万台程度。国内のお客様に三菱ブランドを選んでいただけるよう頑張っていきたい。
黒井常務に国内販売について聞いた。株主総会で日産の星野専務が言ったのは、オプションやアクセサリーなど何らかの販促策を言っているのではないか。
日産のお店で三菱車の販売をするのかについては、「全くゼロではないが、まさにディスカッションを始めた段階」と明言は避けた。
特別損失について。
中身については、お互いに合意していないので言えない。サプライヤーに対して7月早々に説明する場を設ける。生産停止の間の費用、投資の償却費用など色んなものを入れた上で考える。ディーラーに対しては速やかにやる。日付は分からない。
今回の燃費の問題、走行抵抗値は分かりにくい。軽自動車4車種については国による確認をしていただいた。排ガスも問題ないので型式取消もなかった。
会社を信頼してもらうためにどうするか?
遵法意識の欠如は徹底的に直さなければならない。問題点を一歩一歩直していく。
会見後、親しい新聞記者と話す。三菱が醸し出すヤレヤレ感に対して、4月20日以降、事件を追いかけ続けてきた記者諸氏からすると、ケジメは付いていないと感じるようだ。
三菱には、手綱を緩めることなく、ブランド価値の復活に取り組んで欲しい。
その後、三菱関係者複数人と相次いで話す。記者が付き合っている人たちは、一様に三菱復活に向けて決意を新たにしている。一方で、岡崎の内情を知っている人は案外少ない。これは一般的に他社も同じ。組織がデカくなってくると、事務方と開発、あるいは生産で人事交流も少なく風通しは良くない。三菱は挙党一致といくか?!
取材 文/神領 貢 マガジンX編集長
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