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ボッシュ、2016年 年次報告記者会見 記録的な昨年に続き成長路線を堅持

2016.4.28

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記録的な業績で幕を閉じた2015年に続き、ボッシュは今年も成長路線を堅持できる見込みだという。依然として低調の経済状況や世界各地の政情不安にもかかわらず、グローバル規模で革新的なテクノロジーとサービスを提供するボッシュは2016年も3~5%の売上高成長率を見込んでおり、基幹市場の平均を上回るペースでの成長が予想されているそうだ。

 

ただし、第1四半期のように一部の地域や市場で成長が鈍った場合、売上成長率が予測を下回る可能性もあるという。2016年第1四半期の市場環境は厳しいものだったが、売上高の前年度比増加率は3%弱。為替調整後は約4%となった。昨年の第1四半期は名目成長率が極めて高かったにもかかわらず、これだけの成長を達成することができた。

 

「ボッシュは、製品だけでなく、革新的なサービスの提供により、さらに成長を図りたいと考えています」と、ボッシュ取締役会会長のフォルクマル・デナーは、レニンゲンにあるボッシュの研究開発センターで開催された年次報告記者会見でこのように述べた。デナーは「ハードウェア事業の基盤を拡充させるため、IoTソリューションをさらに強化しています」と述べました。ハードウェア事業強化のためにIoTソリューションを活用するにあたり、ボッシュの多様な技術だけでなく、様々な業界で築いてきた専門知識やノウハウが大きなアドバンテージとなります。デナーはこれについて「近い将来、ボッシュはクルマやキッチンを利用する方へ製品・サービスを提供するだけでなく、毎日の生活の様々な側面で常時生活をサポートするIoTソリューションを提供するようになるでしょう」と説明した。

 

2015年:最高の売上高と業績を達成

2015年にボッシュ・グループの売上高は史上最高の706億ユーロ(9兆4,816億円)に達したそうだ。折半出資の合弁会社だったBSH Hausgeräte GmbHとRobert Bosch Automotive Steering GmbHの2社の買収が、売上高を220億ユーロ押し上げた。これは前年比の増加分の44%にあたるという。

 

業績も極めて順調で、同一条件で計算した場合、売上高は10%増、為替調整後で3.8%の伸びを示している。産業機器テクノロジー セクターを除き、すべての事業セクターが2桁成長を達成し、業績を伸ばすことができた。同じく、ボッシュ・グループ全体としての業績もさらに成長し、税引前利益(EBIT)では、売上高利益率6.5%に相当する、46億ユーロ(6178億円)という数値を達成した。税引前利益は、前年比で24%増の約9億ユーロに達したことになる。

 

2015年の税引前利益には特別要因がプラスに働いたが、それも特別損失によって相殺されている。これは、BSH Hausgeräte GmbHとRobert Bosch Automotive Steering GmbHを初めて連結決算に加えた減損や法的リスク引当金によるもの。財務担当取締役兼ボッシュ取締役会副会長のシュテファン・アーセンケルシュバウマー(Stefan Asenkerschbaumer)は「ボッシュは、自社の市場形成に大きく貢献する技術革新を目指しています」と述べ、さらにこう続けた。「2015年のボッシュの業績は、この戦略が十分に利益を伴うものであることを証明する結果となりました。2016年も引き続きこの戦略を推進していきます」。将来に備え、盤石を築くための構造改革や投資の増加は負担となるものの、ボッシュは2016年も安定した利益獲得を目指すという。