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トヨタ、新体制を公表
トヨタは、「もっといいクルマづくり」とそれを支える「人材育成」を一層促進していくために、本年4月より新たな体制へと移行することを発表した。今回の新体制は、仕事の進め方を変革していくことを狙いとしている。
トヨタは、2011年に「地域主体経営」、2013年には「ビジネスユニット制」を導入するなど、地域に根差した「もっといいクルマづくり」の推進や、現地現物に基づく「人材育成」に取り組んできた。しかしながら、現在の仕事の進め方は、従来の延長線上にあり、従業員や関係者の頑張りに頼っている部分も多く、また機能間の調整に時間を費やすという問題も顕在化してきていたという。
今回の体制変更のポイントは、「機能」軸ではなく、「製品」軸で仕事をしていくことによって、機能の壁を壊して調整を減らし、すべての仕事を「もっといいクルマづくり」とそれを支える「人材育成」につなげていくことである。ガバナンスの観点においても、新たな9つのビジネスユニットが互いに競争、切磋琢磨し、ヘッドオフィスと連動することで、企業価値の向上が図れるものと考えているそうだ。
新体制に向けて、豊田社長は「組織改正は『ソリューション』ではなく、『オポチュニティ』である。皆で力をあわせ、この新しい体制を『もっといいクルマづくり』と『人材育成』を促進する『オポチュニティ』にしていきたい。この組織改正を将来の正解にするのも、間違いにするのも私たち自身である」と述べた。
こうした考えのもと、4月1日付で役員人事、4月18日付で組織改正、および人事異動を行う。新体制の概要は以下のとおり。
- 目的
- 開発から製造まで一体となった「もっといいクルマづくり」、「人材育成」の実践
- 意思決定の迅速化・完結化
- 将来を見据えた中長期ビジョン・経営戦略策定機能の強化
2.新体制の概要
(1)ビジネスユニット ①製品軸の「カンパニー」を設置
- 製品群ごとに7つのカンパニー体制へ移行し、中短期の商品計画や製品企画はカンパニーが担う。
「先進技術開発カンパニー」
「Toyota Compact Car Company」
「Mid-size Vehicle Company」
「CV Company」
「Lexus International Co.」
「パワートレーンカンパニー」
「コネクティッドカンパニー」
- 従来、機能軸の組織であった技術と生産技術を先行・量産でわけ、各カンパニーに振り分け。(グループ内で車両の開発生産を担う車体メーカーも各カンパニーに参画)
- 責任・権限を各プレジデントに集約、企画から生産まで一貫したオペレーションを実施。
②第1トヨタ・第2トヨタのビジネスユニットは継続、強化
- 地域に根差した、トヨタのファンづくりとオペレーションの向上。
- 製品軸カンパニーとの間で適切なチェック&バランス機能を確保。
- 各地域の開発拠点は独自で開発裁量枠を持ち、地域ニーズをスピーディに反映するクルマづくりを推進。
(2)ヘッドオフィス ①「未来創生センター」を新設
- 外部の研究機関やトヨタグループなど社外の力を積極的に取り込みながら、将来の技術/ビジネスを「長期視点」「社会視点」で創造していく役割として新設。
②直轄部署の再編(コーポレート戦略部を新設)
- 中長期戦略企画を担う組織を集約。長期視点に立った経営の方向性の策定と経営資源の最適化を図る。
③その他直轄部署・各本部の変更
- 基本は各カンパニーや地域本部の原価・収益、基幹システムなどガバナンスを支える仕組みづくりを推進するとともに、あわせて機能の一部を各カンパニーに振り分け。
<新体制 概要図>(本部以上)
■ヘッドオフィス
・未来創生センター
・コーポレート戦略部、経営支援室等の直轄部署
事業開発本部、渉外・広報本部、総務・人事本部、情報システム本部、経理本部、販売金融事業本部、調達本部、カスタマーファースト推進本部、生産管理本部、
TOYOTA Gazoo Racing Factory
ビジネスユニット
・第1トヨタ 北米本部、欧州本部、アフリカ本部、国内販売事業本部
・第2トヨタ 中国本部、アジア・中東・北アフリカ本部、東アジア・オセアニア本部、中南米本部
・先進技術開発カンパニー
・Toyota Compact Car Companyトヨタ自動車東日本
・Mid-size Vehicle Company
・CV Companyトヨタ車体
・Lexus International Co.トヨタ自動車九州
・パワートレーンカンパニー
・コネクティッドカンパニー
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