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三菱の通期利益見込み据え置き。次期RVRはガソリンとEVの二本立てで2019年発売。

2016.2.3

次期RVR、ピュアEVで2019年発売へ。

三菱自動車工業の第3四半期累計決算は、売上高1兆6620億円、前年同期比734億円増、営業利益1020億円、同12億円増だった。
2015年度通期見通しは、売上高のみ200億円減の2兆2600億円。営業利益1250億円、経常利益1300億円、当期利益1000億円。

世界販売台数105.3万台〈10月公表値〉を据え置いた。
第3四半期累計の世界販売台数は、前年同期比1.9万台減、2%減の78.7万台だった。北米、ドイツ、イギリスなどで増加した。

三菱自動車工業は、2020年度までの商品展開の考え方を発表した。
電動化とSUVのラインナップ強化が柱だ。
電動車の世界市場は2014年に比べて2020年には5倍に伸びると見込まれている。
三菱自動車工業は、FRフレーム、中型、小型、軽自動車各FFの主要4つのプラットフォームに集約する。

キャッチフレーズは、
SUVと電動車で世界に役立つ会社
とした。

以下は質疑応答。質問は省略しています。

第3四半期累計の127億円の市場措置費用の大半がタカタ。
153億円の北米イリノイ工場閉鎖費用を計上した。1000人弱を解雇した。さらに第4四半期分を30億円程度見込んでいる。
来年度以降については、部品生産が5月まで継続するので、その時点までに残り200人を解雇する。

軽自動車のEVについては、日産自動車とジョブシェアも話しているので、検討中とさせて欲しい。

三菱は新興国でピックアップトラック、SUVで商売している。
日産やフィアットらとウインウインの関係で協力している。
これまで以上に他メーカー、他業種の協業は、柔軟に考えていく。

売上高200億円減の要因は卸売り台数にリンクしている。1.1万台下方修正した。アジア1万台減、100億円減、その他1000台減、100億円減。

春闘については、組合から要求が届いていないためお話しできない。

ネガティヴなイメージが先行している。色々取り組んでいるので、この段階で商品展開を発表した。

TPPに参加表明していない国が参加を表明すると、メリットが出てくるのではないか。

パジェロブランドの位置づけは?
パジェロは三菱のフラッグシップでグローバルに認められたブランド。パジェロスポーツは、パジェロを凌ぐ販売台数となっている。大型車は燃費など環境規制の面から生き残れない。新しい技術の見極め、パジェロスポーツの販売見通しを見ながら次のパジェロを考えたい。

働き方改革に対する取り組みについて。

女性の活躍の場を拡大する安倍政権の考え以前に、2013年からダイバーシティ推進本部として取り組んでいる。業界では最も進んでいる。
その名のとおり働き方改革として、仕事の仕方を見直すための全社的な活動を進めている。

タイの販売環境について。
税制改定で、新型パジェロスポーツは5%増税となった。年末に駆け込みがあり、1月は少し減った。施策を打っていく。
PHEV、EVは、新型車が出てから1年内を見込む。

アウトランダー、新型SUV、次期RVRについては、ツインモーターの4WDとする。

管理職千数百人に対して、相川社長から直接話した。モチベーションは高い。

新型RVRはガソリン車とEVのラインナップ。

RVRの次期型が遅れるのは市場にインパクトはあるが、中途半端な商品は出せないので、これがベストな選択だと思っている。

なぜレンジエクステンダーではないのか?
RVRは新興国も含めて主力車種。ガソリン、ディーゼル、EVでやる。レンジエクステンダーでなくてもピュアEVで行けると考えている。

ランサーのOEM先は未定。

会見後、黒井常務と立ち話。
今年の軽自動車市場は昨年以上に辛いとの見立て。1月の数字は既報の通りだが、三菱も登録車の方が伸びているとする。
マガジンXがかねて指摘している日産車を三菱で売る発想は、
面白いと思う。
と応じてくれた。三菱のお店が売りやすいコンパクト車をどう残すかは課題だろう。

会見後、三菱自動車広報関係者と話す。すでに三菱の正規販売店拠点は、650店程度まで減少していると言う。
今年は軽自動車は辛いし、アウトランダーPHEV頼りでは、正直辛いのではないかと話した。
三菱も国内販売に関しては、抜本的な手を打つ時に差し掛かっているようだ。

取材 文 写真/神領 貢〈マガジンX編集長〉


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