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ボッシュが日本で自動運転の公道試験を開始

2016.2.2

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ボッシュは、自動運転の開発をさらに大きく前進させた。ドイツ、米国に続き、日本でも2015年10月、未来の技術である自動運転の公道試験をスタートさせた。最初の目的はハイウェイパイロットの開発だが、ボッシュは2020年までに高速道路や高速走行が可能な道路で自動運転を実現したいと考えているという。

 

ボッシュ取締役会メンバーのディルク・ホーアイゼル(Dirk Hoheisel)は、「日本は左側通行で、複雑な交通状況でもあることから、開発面で貴重な洞察が得られると期待しています」と述べている。ボッシュでは現在、約2,500人のエンジニアが世界中で運転者支援システムと自動運転の開発に取り組んでいる。ドイツや米国のエンジニアたちと同じく、日本のチームも自動運転車両による公道試験を開始した。この走行試験は、東北自動車道(栃木県)と圏央道(神奈川県)、さらにボッシュの2つのテストコース(塩原と女満別)で行われている。

 

自動運転の開発に日本のチームも加わり、2011年からこの開発に取り組んでいるドイツと米国のチームの成果をさらに発展させることができるようになった。ボッシュは2013年初めから、ドイツの高速道路(A81号線)と米国の州間高速道路(280号線)でテスト車両による公道試験を実施している。

 

「ボッシュは、これまでに1万km以上の走行試験を無事故で達成しています」とホーアイゼルは述べている。ボッシュのテスト車両は必要に応じて加速、ブレーキ、追い越しをしながら進み、いつウィンカーを点灯し、車線を変更するかを交通状況に応じて判断する。これらすべての機能の基盤となるのが、車両周辺の詳細な環境を提供するセンサー。さらに、ボッシュのパートナーであるTomTomが非常に詳細なマップデータを提供している。コンピューターがこれらの情報を分析して他の道路利用者の行動を予測し、これに基づいて自動運転車の走行モードを決定しているという。

 

自動運転がテスト車両だけでなく、量産車でも実現できるようになるには、自動運転のための法的要件が整う必要がある。日本、米国とドイツではこの件が検討課題となっており、ウィーン交通条約を改正する動きが勢いを増している。ドイツではすでにこの改正条項が承認され、2016年4月23日から施行される予定だ。また、ウィーン交通条約加盟国は今後、この改訂条項を各国の法令に適用していく見込みで、ドライバーの操作が自動運転システムに対して優先されるか、またはシステムを無効にすることができるという条件下において、自動運転が認められていく可能性がある。

 

さらに、UNECE(国連欧州経済委員会)のワーキンググループが、最大時速10 km以下であれば自動操縦を許容すると定めた規則R79の見直しも始めている。一方、自動運転機能の検証についても課題がある。現在の検証方法では、自動運転システムが市場に投入されるまでに数百万kmにもおよぶ走行試験を行う必要があるのだ。そこでボッシュは現在、まったく新しいアプローチでこの問題に取り組んでいる。

 

世界最大規模の自動車機器サプライヤーのひとつであるボッシュはこれまで蓄積してきた自動運転に必要な全ての技術を活用している。こうした技術には、パワートレイン、ブレーキ、ステアリングのほか、センサー、ナビゲーションシステムや車内外のネットワーク化ソリューションも含まれる。ホーアイゼルも、「ボッシュはコンポーネントから包括的なシステムまで、あらゆる側面から開発を進めています」と述べている。

 

例えば、ボッシュのセンサーに対する需要は非常に高く、ボッシュがドライバー アシスタンス システム向けに販売したサラウンドセンサーが昨年初めて5,000万台を超えた。また、2014年にはレーダーセンサーとビデオセンサーの販売台数が倍増し、2015年も同様の成長を見込んでいる。ボッシュはアダプティブ クルーズ コントロールなどのシステムに使用されるレーダーセンサーで世界の市場をリードしており、2016年にはレーダーセンサー(77 GHz)の累計生産台数が1,000万台に到達する見込み。さらに、2015年には5,000台目の「Servolectric」(電動パワーステアリング システム)がシュヴェービッシュ・グミュント(ドイツ)のボッシュの工場の生産ラインから送り出されている。