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スズキ、相良工場が平成27年度 省エネ大賞[省エネ事例部門]を受賞

2016.1.20

150119_01低圧鋳造機の仕組み

150119_02  金型加熱器

 

スズキの相良工場が、「平成27年度省エネ大賞[省エネ事例部門]」の「資源エネルギー庁長官賞(共同実施分野)」を受賞した。

 

「省エネ大賞」(主催:一般財団法人省エネルギーセンター)は、平成2年(1990年)度より優れた省エネ・節電製品又は省エネ波及効果の高いビジネスモデルを開発した事業者を表彰してきた。平成23年度より「省エネ事例部門」が追加され、企業、工場、事務所等の節電や、優れた省エネルギー活動を推進し、成果を上げた事業者を表彰している。

 

このたびの「資源エネルギー庁長官賞(共同実施分野)」受賞は、スズキ、中部電力株式会社、メトロ電気工業株式会社の3社が赤外線ヒーター式金型加熱器を共同開発し、相良工場のエンジン部品鋳造工程に導入したことにより大幅な加熱時間短縮と、エネルギー使用量削減を実現すると同時に、現場作業の省力化と安全性、生産性も向上させた取り組みが高く評価された。

また、この取り組みを国内外のスズキグループや、他事業者に展開することで高い波及効果が期待されることから選出された。

 

スズキは、これらの設備、取り組みを国内関連会社、海外工場に展開し、省エネルギー化を推進している。今回の受賞を機に、更なる省エネルギーに取り組む。

なお、表彰式は1月27日(水)に東京ビッグサイトで行われる。

 

資源エネルギー庁長官賞(共同実施分野)受賞の概要

 

「鋳造工場における赤外線ヒーター式金型加熱器の導入による省エネ・省力化」

 

・事業者: スズキ株式会社 相良工場 工務課・鋳造課、

中部電力株式会社 静岡支店、メトロ電気工業株式会社

・事業所: スズキ株式会社 相良工場

 

事例概要

  • エンジン鋳造部品を生産する鋳造機の金型加熱工程において、従来のガスバーナー式から高出力の赤外線ヒーターを利用した金型加熱器に変更した。
  • 金型加熱器は、スズキ、中部電力、メトロ電気工業と考案・開発・テスト改良を重ねたもので、導入により従来のガスバーナー式と比較し、エネルギー使用量を58%削減(原油換算20.8kl/月削減)、金型加熱に要する総作業時間は32%削減するなど、省エネルギーおよび現場作業の省力化と安全性、生産性の向上を図ることができた。

 

主な実施内容

 

(1)取組んだ省エネ・省力化対策

赤外線ヒーター式金型加熱器の開発・導入

 低圧鋳造における鋳造開始前の金型加熱作業時のエネルギーをLPガスから電気に転換する取組みを実施。

設定温度までの昇温時間削減、エネルギー使用量削減を目的に、赤外線ヒーター式金型加熱器を開発。

 

(2)省エネルギーの達成状況

 

1.赤外線ヒーター式金型加熱器の導入効果(省エネ性)

 

赤外線ヒーター式金型加熱器を導入したことで、従来のガスバーナー式金型加熱器と比較し、原油換算で20.8kl/月のエネルギー使用量を削減。

熱源をLPGから電気に転換し、課題を解決したことで以下の効果があった。

  • 金型加熱に使用するLPG使用量 ▲100%
  • 設定温度までの昇温時間短縮 ▲72%
  • 金型加熱に要する総作業時間短縮 ▲32%
  • オーバーシュート防止機能によるエネルギー使用量の削減
  • ヒーターの眩しさは無く、遮光眼鏡は不要となった。

 

2.現場作業の省力化

従来ガスバーナーでは作業者が任意の時間で監視を行っていたが、電気ヒーター化により金型加熱時および加熱後の制御を自動化し監視が不要となった。

 

1日3回の頻度で実施していた金型部品の溶損点検、補修作業も廃止することができた。又、金型塗型剤の補修サイクル延長や金型部品の故障トラブルの低減となった。

 

3.金型温度の適正化

 金型と電気ヒーターとの間隔を限界まで縮めた対策と電気ヒーターの発光部は金型全体を覆うことで、ムラ無く金型全体を加熱することが可能となった。また、自動制御により、良品率が高い温度分布状態に加熱することが可能となり、製品良品率が向上した。

 

4.現場作業の安全性の向上

ヒーター導入後は着火作業自体を廃止できた為、火災リスクは無くなった。また、加熱作業のルールの整備、加熱機器の軽量化、取廻しバランスを設計に盛り込んだ結果、作業者の安全性が向上した。

 

5.作業環境の向上

 作業環境測定定点結果を比較して、暑さ指数(WBGT)が改善された。

 

 

 


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