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日産自動車、ヒューレット パッカード エンタープライズ、シーメンス、自動車業界初となる本格的なグローバル利用での次世代設計基盤を構築
日産自動車、ヒューレット パッカード エンタープライズとシーメンスAGは21日、グローバル開発拠点から高速レスポンスで、車両開発に関わる最新データを常時利用することができる、自動車業界初※1の次世代設計基盤を共同で構築したと発表した。本設計基盤は、エンジニアリングVDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)を採用することで、グローバルでの車両開発の柔軟性と管理の効率化を目指したもので、米国や欧州などで利用を開始した。
エンジニアリングVDIとは、高度なグラフィックス処理に対応した技術で、サーバー上に用意された3次元CADの仮想ワークステーションにアクセスすることで、デスクトップに画面を出力して操作することができるシステム。本技術によって日産のエンジニアはいつでも最新データにアクセスすることができる。データをサーバー上に集約することで、運用管理性や利便性を高めるだけでなく、コストの効率化や災害時のリスクマネジメントも可能となる。
本格的なグローバル利用でのエンジニアリングVDIによる次世代開発基盤は、最先端のグラフィックス処理技術を搭載したサーバー、ソフトウェア製品、及びネットワーク高速化技術を活用している。日産は、まず日産テクニカルセンターノースアメリカ(NTCNA)、日産テクニカルセンターヨーロッパ(NTCE)の二ヵ所の開発拠点で利用を開始。本基盤により、日産はグローバル拠点におけるCAD業務を、拠点によらず同等にできると共に、インフラの集約・管理性を高めることで、将来のシステム導入期間やバージョンアップ費用、及び運用管理工数を大幅に削減できる見込みだ。また、本基盤によりグローバルでの車両開発にフレキシブルにシステム対応が可能となるため、今後も順次適用地域を拡大していく予定。
HPEは、このたびの次世代設計基盤構築において、最新のブレード型ワークステーションと統合ストレージ、デスクトップ仮想化技術により複数ユーザーでリソースを共有するエンジニアリングVDI環境を提案した。提案は、コンサルティングから、ハードウェア機器、ソフトウェア、サポートまで包括したもので、本プロジェクトを支援するため、HPEは日本、米国および欧州にわたる横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、導入、検証、問題解決をグローバルな体制で柔軟かつ迅速に行い、スムーズな運用開始に貢献した。
エンジニアリングVDI環境を構成するHPEのテクノロジーは、以下の機器とソフトウェアが含まれる。
- ブレード型ワークステーション「HPE ProLiant WS460c Graphics Server Blade」
- 統合ストレージ「HPE 3PAR StoreServ 7400」
- ソフトウェア「HPE Systems Insight Manager」
- デスクトップ仮想化技術「Citrix XenDesktop」
高いマシンスペックと信頼性を必要とする開発業務を仮想化するためには、高性能ワークステーションをサーバーと同レベルの運用管理機能で利用できるブレード型ワークステーションが適しています。拠点の開発者の生産性向上を実現すると同時に、サーバー上にデータを集約することで、運用管理やコストを効率化し、障害時におけるリスクマネジメントが可能となる。ストレージは専用ASICによる高パフォーマンス、4コントローラー構成によりメンテナンス時や障害時もパフォーマンスを維持できる構成となっている。
シーメンスは、この日産エンジニアリングVDI環境を実現するにあたって、ソフトウェア技術基盤を提供している。シーメンスのソフトウェアNX™は、日産でエンジニアリングや車両開発全般にわたって利用されているCADソリューションです。高水準のVDI環境実現を保障するため、NXはその上で必要とされる全てのハードウェアとして認定されている。加えて、シーメンスTeamcenter®がデジタル基盤として強力に日産VDIを支えている。Teamcenterは地域を超えて適切な人員が、あらゆる製品に関連する情報に対して容易かつ迅速にアクセスできることを実現する包括的な製品情報管理システムだ。
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