国土交通省、国内における硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレータの使用縮小・停止に向けた方針を発表し指導を開始

10月28日、タカタ製エアバッグ・インフレーターに係るリコールの対象車両（部品交換未実施）において、衝突時に助手席エアバッグ・インフレーターが異常展開し、国内で初めて負傷事故が発生した。また、11月３日に米当局が発表した同意指令（コンセントオーダー）において、タカタが、硝酸アンモニウムを使用したインフレーターの生産・販売を段階的に停止すること等に合意した。

これを受けて、国内の主要な自動車メーカー７社が、現在開発中の新型車等から、硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターを使用しないこと等を表明した。

このため、国土交通省は、タカタ及び前述の自動車メーカー７社からヒアリングを行った上で、国内での不具合の発生状況も踏まえつつ、予防的措置として、硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターの使用縮小・停止に向けた方針を下記のとおりとりまとめた。

国土交通省としては、タカタ及び自動車メーカー等に対し、今後この方針に沿って適切に対応するよう、12月4日付で指導する。  

１．新型車

今後の新型車に、硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターは搭載しない。  

２．継続生産車

硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターで乾燥剤なしのものについては、順次削減し、運転席は平成29年中に、助手席・サイド（側面）は平成30年中に、搭載を停止する。このうち、国内市場で運行中又は解体処理時に不具合の発生が確認されているインフレーターについては、搭載停止の期限を平成28年６月まで前倒しする。

関連する構造変更等の機会に、硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターの搭載停止について検討する。

３．交換用部品

硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターで乾燥剤なしのものについては、順次削減し、運転席は平成２９年中に、助手席・サイド（側面）は平成30年中に、搭載を停止する。このうち、国内市場で運行中又は解体処理時に不具合の発生が確認されているインフレーターについては、搭載停止の期限を平成28年12月まで前倒しする。

硝酸アンモニウムを使用したタカタ製インフレーターで乾燥剤入りのものについては、タカタが平成31年までに行う原因調査及び不具合の発生状況等を踏まえて対応する。

（参考）　国内における取扱いの一覧表