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何もない空中に3D映像を描く装置を一般公開
2014.10.22
日本科学未来館に併設する研究棟を拠点に活動する株式会社エリオは、10月20日(月)に「空中3Dディスプレイプロジェクト」の実験を一般公開した。
この装置は、太陽の光を虫メガネで集光して紙などを燃やす実験と同じような仕組みで、目に見えないレーザー光線のエネルギーをレンズを用いて集光し、空気の絶縁破壊(ブレークダウン)によって生じたプラズマ発光を利用することで空中に映像を映し出すスクリーンレスディスプレイである。この装置の最大の特徴は、描画のドット(点)の位置をソフトウェア上で任意に設定・制御できる点であり、何もない空中にリアルな実像を描くことができる世界唯一の技術として国際特許も取得している。また今回、装置の小型化も実現したため、普通自動車に搭載することも可能になった。
今回の公開実験では、クルマの上空2〜3mの位置に螺旋階段やリンゴの絵、蝶が羽ばたいたり人間が歩くような動きのある映像も映し出された。1秒間に500回点滅する光の点を高速に移動させ、その残像で絵や文字を映し出す仕組みとなっており、右眼と左眼の視差を利用して周囲360°全方位から映像を見ることができる。
この技術は、主に災害時の緊急表示や道路交通の標識、広告などでの応用が期待されている。なお、日本科学未来館の研究棟には、今回の技術をはじめとした11の研究プロジェクトが所属しており、週末などを中心にそうした研究施設を見学できるツアーなども開催されている。
■日本科学未来館
東京都江東区青海2-3-6
TEL:03-3570-9151