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スマートコミュニティ事業運営組織「F-グリッド宮城・大衡有限責任事業組合(LLP)」国内初の非常時地域送電システムを運用開始
F-グリッド宮城・大衡有限責任事業組合(以下 LLP : Limited Liability Partnership、組合代表 : トヨタ自動車株式会社)は、国の補助事業である「スマートコミュニティ導入促進事業」の採択を受け、2011年10月より進めてきた第二仙台北部中核工業団地におけるスマートコミュニティ事業(F-グリッド構想)について、非常時地域送電システムの運用を開始した。
合わせて本日、宮城県大衡村の第二仙台北部工業団地および大衡村役場周辺において、LLP加盟企業11社と、大衡村役場の関係者など約50名が参加し、非常時における地域送電を想定した合同訓練を実施した。
「F-グリッド構想」とは、「地域と工業団地が一体となった安全で安心なまちづくり」との考えのもと、都市ガスを用いて自家発電設備からつくったエネルギー(電力・熱)と、電力会社より購入した電力の制御・最適化を図りながら、工業団地内へ効率的にエネルギー供給を行うシステムである。
2013年2月のLLP発足以降、段階的にシステムの拡張を進め、現在11法人が組合員として参画しており、第二仙台北部中核工業団地では、2011年度(F-グリッド構想導入前)と比べて省エネで約20%、環境性(省CO2)で約23%の削減を実現するなど、各工場におけるエネルギー調達コストの低減に寄与し、経済性も向上している。
また、長期にわたり停電する非常時には、F-グリッド内各工場へのエネルギー供給のみならず、安定、安全な自家発電設備の余剰電力を東北電力が購入し、近隣の地域防災拠点である大衡村役場などへ供給する。F-グリッドから周辺地域へ電力を供給するシステムは国内初の取り組みとなる。
さらに緊急電源として、外部給電機能を有するプラグインハイブリッド車8台、ハイブリッド車用の蓄電池と太陽光発電で構成する充放電システムを2地点に配備することで初動対応力を高め、有事における地域支援活動に備える。
LLPは今後も本事業を継続推進することにより、環境性、経済性、電源セキュリティ(3E)の維持・向上を図り、「地域と工業団地が一体となった安全で安心なまちづくり」に貢献することを目指す。
<スマートコミュニティの概要>
▽ 通常時(2013年4月より開始)本有限責任事業組合が保有する自家発電設備(都市ガスを活用)から作ったエネルギー(電力・熱)と、電力会社より購入した電力の制御・最適化を図り、グリッド内各工場へ効率的にエネルギー供給を行う。
▽ 非常時(今回完成)F-グリッド保有の自家発電設備で発電した余剰電力を東北電力が購入し、東北電力が、高圧配電線により防災拠点となる大衡村役場などに電力を供給する。
非常時のエネルギーバックアップの順序
ステップ | 内容 |
STEP1 | プリウスPHVや充放電システムにより、自家発電設備の起動を待たず電源確保 PHV(1台あたり単相100V-1500W供給可能)を8台配備(2013年) プリウスリユース蓄電池で構成される充放電システムは、トヨタ自動車東日本に 100V-30kWシステム、トヨタ紡織東北に100V-20kWシステムを各々設置(2014年) |
STEP2 | 健全性確認、事前準備・操作終了後、自家発電設備を起動(ブラックアウトスタート)し、 F-グリッド内各工場に、災害復旧等で必要な電力を供給 |
STEP3 | 余剰電力を東北電力に販売し、東北電力が地域防災拠点の大衡村役場などへ供給 最大販売電力1500kW |
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