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新型プリウスの低い着座位置
正式発売に先がけて国内でも公開された4代目プリウス。自慢の燃費に加えて、クルマ本来の魅力でもある「走る楽しさ」も訴求される。
パワートレインのキーワードは「損失低減」で、継承される1.8Lエンジンにはトヨタ初の2系統冷却システムを採用。燃焼改善や低フリクション化も図られて最大熱効率は40%に達する。
トランスアクスルではリダクションギアが遊星歯車から部品点数が少なくて軽い平行ギアに変更され、全長を47mmコンパクト化。20%の損失低減も実現している。また、これによって12Vの補機バッテリーはラゲッジスペースからフロントノーズに移される。
なお、動力分割機構には引き続き遊星歯車が用いられ、モーターが動線から切り離せるクラッチの採用は実現せず。
新開発された駆動用のニッケル水素電池は10%の小型化で容積が39.4Lから35.5Lに縮小され、リアシート下への搭載が可能になった。おかげでラゲッジ床面は110mm下がり、ラゲッジ容量は56L増の502L(フル乗車時)に達している。
一部グレードに用いられるリチウムイオン電池はプリウスαのものをベースに、電極の材料が開発し直されて抵抗値を低減。いっそう効率よく充放電できるよう改善されている。カタログ燃費が40km/Lに達することは、過去にマガジンXでスクープしたとおりだ。
積雪地ユーザーが待ち望んできた4WD車のラインナップも朗報だ。後輪は発進時やスリップを検知した際に電気モーターで駆動。70km/hまで稼働する。また、駆動力を発揮しない時の空転時に抵抗にならないよう、誘導モーターが使われている。
内装ではグロスホワイトに塗装されたパーツが目を引く。実際に座ってみるとヒップポイントは低く(現行モデル比59mmダウン)、Aピラーの位置が見直されて三角窓が廃止されたことで前方視界がスッキリしている。ただ、電子シフトのエレクトロシフトマチックが奥まっていて手を伸ばさないと届かないのが、やや気になるところ。
一方、リアではハッチゲートのバックウインドウが左右に拡幅されたことでクォーターピラーのウインドウを廃止。斜め後方視界は写真のとおりだ。
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