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羽田空港国際線に、カンタス航空が再就航 カンガルー・ロゴで知られるカンタス航空 が羽田空港に戻る
日本とほぼ同じ時間帯にありながら季節が正反対の南半球オーストラリア。そのナショナルフラッグキャリアである「カンタス航空(Qantas Airways)」(本社シドニー)が、37年ぶりに東京国際空港(羽田空港)に戻り、8月1日現地最大の都市であるシドニー(Sydney)間に就航。同時に従来から就航している新東京国際空港(成田空港)からは、現地最大のリゾート地で知られるゴールドコーストや世界遺産で知られるグレート・バリア・リーフへの玄関で第3の都市となるブリスベン(Brisbane)にも就航。すでに提携している日本航空との共同運航便を含めたオーストラリア国内各都市への、日豪間ネットワークがさらに充実したことになった。
カンタス航空といえば尾翼にカンガルーの
ロゴで知られた白と赤の機体が映えるエアライン。その歴史は旧く、クィーンズランド州で1920年に設立。ヨーロッパからの開拓民入植伴う物資や郵便輸送が始まりとなっている。空輸のスタートが大陸東部のクィーンズランド州とノーザン・テリトリー州にて、その両方を合わせた造語が現在の”カンタス(Qantas)”の由来となっている。以来、世界の航空会社にあって事故の少ないエアラインとしての評価が高い。世界最大の旅客機であるエアバスA380型機を導入した初期の飛行中に、貨物室ドアの破損事故があったものの無事に着陸するなど、パイロット技術にも定評がある。
就航を記念して羽田、成田の両方で、テープカットによる出発式が行われた。シドニー本社からは国際線担当役員をはじめ、日本支社関係者。それと駐日オーストラリア大使。さらにそれぞれの空港役員や空港関係者などが出席。搭乗機長とともにテープに鋏を入れた。そのなか興味深かったのが、同日に2つの空港での近接した時間帯でのセレモニーを実施したこと。成田と羽田は同じ関東圏といえども、その距離は約70km。東関東自動車道と首都高速に途中の信号はないものの、夏休みに入った週末の土曜日。さらに湾岸エリアの渋滞ポイントとなる途中のディズニーリゾートと東京港海底トンネルの通過が心配されたが、日本支社関係者によれば、成田の行事が自由エリアの出発フロアのイベントエリアであったこと。さらにコンパクトな規模の羽田国際線ターミナルにて、制限区域となる出発搭乗ゲートでのセレモニーも、ギリギリ・セーフで間に合ったとのこと。取材側の筆者は、とても無理な両空港の移動時間(制限区域内の羽田入場の手続きは厳しいセキュリティチェックと時間を要す)を考慮して、成田は普段寄稿する航空専門誌に撮影を依頼。羽田取材も事なきを得ることができた。
*さらなるビジネスと観光交流に期待
成田からのブリスベン便の機材は、新たに投入されたエアバスA330-300(2クラス・297人乗り)。なかでも新たに採用されたビジネスクラスの座席は、離着陸時にも背もたれを調整できるリクライニングとフルフラット機構を備える。英国トンプソン・エアロシート社(Thompson Aero Seating)の”ヴァンテージ XL(Vantage XL)”を装備。機内食などを含めて、これら装備やサービスの開発には同社の女性商品企画担当者が担っている。さらにオーディオやディスプレイ装置は、パナソニック・アビオニクス(Panasonic Avionics)社製(東京・品川区)を採用する。
片や羽田~シドニー線にはボーイングB747-400型機(3クラス・364人乗り)を投入。都心に近いことでのビジネス客と観光客の輸送を、日豪の2大都市を結ぶ。
さらに今年3月から採用されたエコノミークラスでの機内食では、従来よりもボリュームを向上。4タイプのメニューを事前に予約できるなど、搭乗者の好みやスタイルに合わせた提供を行う。両空港のセレモニーで挨拶した同社国際線部門担当者でCEOのギャレス・エバンス(Gareth Evans)氏は就航に際して、「今回の羽田、成田両空港による就航で、両国間を結ぶ便利な選択肢が提供することができました。とくに東京都心に近い羽田空港を待望していたビジネスのお客様から、大きな歓迎の声をもらっています。さらに日本への訪問が増加するオーストラリア人旅行者にも対応。現在日豪政府間で進められているEPA(日豪自由貿易協定)にも、さらなる弾みと利用者増加が期待されます」と述べる。羽田空港からの初便には日本来日時に成田到着となったブリスベンからのシニアカップルや、7月に開催された鈴鹿8時間耐久レースを観戦したビンテージの日本バイクの愛好会グループ。そして夏休みを利用した現地ホームステイの中高校生などで、ほぼ満席の搭乗者となった。このような中、日豪間の直行便の代表格を担ってきたカンタス航空であるが、東南アジアのエアラインもそれぞれの本国経由にも関わらず、料金面でも対向する商品力や機内サービスが向上しつつある。フルサービスエアラインとしての、”フレンドリー・オーストラリア”ならではの、様々な分野でのサービスが期待される
浜田拓郎
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