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助手席エアバッグのカットオフスイッチは必要か(まとめ版)

2016.7.8

助手席エアバッグのカットオフスイッチは必要か(まとめ版)

 助手席に小さな子どもを座らせていて、しかもチャイルドシートにも座らせず、なんらかの理由でエアバッグが展開した場合、展開時の衝撃に子どもが耐えきれずに負傷する事例が見受けられる。最近では国内でも痛ましい事故が発生したのは記憶に新しいところ。国内では各メーカーとも子どもは前席ではなく後席に座らせるよう取り扱い説明書などに記載している。が、子育て世代で子どもを止むなく助手席に座らせることもあるだろう。欧米車ではこうした事情から、万が一の場合に助手席エアバッグの作動を無効にするキャンセリング(カットオフ)スイッチを装着している例が多い。日本国内では、「カットオフのままで常時、走行するのは、助手席の乗員保護の観点から好ましくない」との意見がある。カットオフについて、国産メーカー4社と国交省にコメントを求めた。

  • トヨタ自動車●
     助手席エアバッグのカットオフについて、国内仕様については、機能を停止できる仕様は採用していない。トヨタ自動車としては、チャイルドシートはリアシートに装着してもらうことを推奨しており、止むを得ず助手席に装着する場合も、シート自体を一番後ろに下げていただくようお願いしている。この点は取扱説 明書や安全ブックにも記載している。カットオフを採用するには、ユーザーにミスユースなく適切に使っていただけるよう社会的認知度を上げていくことが必 要。他メーカーと歩調を合わせて対応していく。

 本件、日本仕様にキャンセリグスイッチが付いていないのは、コストカットが目的ではないのか質問した。これに対してトヨタ自動車広報部は、「コストカットが目的ではない」と明言した。

  • マツダ●

 スイッチの入れ忘れなどによる万一の際の未展開のリスク等を考慮し、現在発売中のマツダ車には助手席エアバッグキャンセルスイッチが採用されているものはありません。また、将来については商品計画にも関わることなので、大変申し訳ありませんが、お話しできません。

  • 本田技研工業●

 カットオフ状態での通常使用におけるエアバッグ不作動 及び 後ろ向きチャイルドシート使用時のカットオフ忘れ等の誤った使われ方のリスクを考えると、適用は好ましくないとの考え方から適用しておりません。上記考え方に基づき、今後日本国内向けにキャンセルスイッチを適用する計画は現時点ではございません。今後も引き続き チャイルドシートを含む安全装置の適正な使用の注意喚起及び啓蒙活動を続けてまいります。

  • 日産自動車●

 現在、日本で販売されている当社車両に助手席エアバッグのカットオフスイッチが装着されているモデルはありません。チャイルドシートはあくまでも後部座席に装着していただくことが基本であり、その旨、取扱い説明書に記載しています。カットオフスイッチの採用については、グローバルにそれらの実態を調査し、検討を進めたい。

 国交省自動車局技術政策課と話した。

 子どもは後席に座らせること。とくに6歳未満はチャイルドシートも義務づけられている。子どもがぐずってダメな場合は助手席にチャイルドシートを装着して座らせる。エアバッグは正しい使い方をすることで有効な安全装備だ。エアバッグの子どもに対する加害性について、今後、国交省として調査したい。実態を良く調査した上で、かなり慎重に議論しないといけないとの認識をもっている。自動車メーカーに対しても仕向地ごとにどのようになっているか調査したいと思っている。

 マガジンXでは10月号で欧米の事情と、日本での対応のあるべき姿について記事掲載する予定です。

写真ネーム

ボルボ車に装着されているキャンセリング(カットオフ)スイッチの例。ユーザーが誤ってカットオフしないように車両の鍵などで操作するよう工夫が施されている。

マガジンX編集長/神領 貢


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