SPECIAL企画
ヒーロー伝説
ランチア・デルタ・インテグラーレEvo.II
■「官能と痛み」SMにも似たイタ車生活
驚いている場合じゃない。
数秒後にはコーナーが待ち受けているのだ。
私はダッダッダッとABSが働くのも構わずにフルブレーキングしてシフトダウン。
ブレーキの利きは申し分ない。
踏み応えもイタ車にありがちなブヨブヨじゃなくシッカリしたもの。
そしてゆっくりとステアリングを切り込んでいく。
切り初めやコーナー頂点での反応も良く、アンダーなんかまったく感じない。
吸い込まれるようにインにアタマが入っていく。
それにスロットルのON/OFFに対する姿勢変化が少ないのも特徴。
さらにクリッピングポイントを狙ってスロットルを踏み始めると、いかにも「四駆だぁ!」というトラクションの高さを示し、すぐさまスロットルを底まで踏み込むことができるのだ。
ワタシはあの時本気でインテグラーレを買おうと思っていた。
見かけは4人乗車が可能な5ドアだし。
これなら家族を騙せるはずだと。
しかしすんでのところで見破られてしまった……(当然だ)。
それに買うと決断できなかった理由が他にもあった。
警告灯が全部点いて止まってしまうなんてしょっちゅうだったし、駆動系から嫌な音がすることも一度や二度ではなかったのだ。
しまいには「あ〜あ、今日も華やかでいいねぇ!」と気にしなくなったほど。
未熟なショップではタイベル交換も大騒ぎになる上に、パーツの供給が次第に苦しくなってきたインテグラーレ、それにやたらイジリ物が多いのも特徴。
それでも私はこの愛すべきストリートファイターを好きにならずにいられない。
昔も今も、そして未来も。
レストアしてでも乗りたい。
前編へ
BACK
SCOOP|ざ・総括|REGULAR企画
NEWS|編集部blog
SPECIAL企画|クラッシュファイル
TOP
© MOOK HOUSE