SPECIAL企画
ヒーロー伝説
ランボルギーニ・カウンタックLP5000QV
■格闘技にも似たカウンタックドライブ!?

エンジンを掛ける。
クックーッというスターター音のあと、ぐずぐずしながらV12は目を覚ます。
クラッチを踏んで1速を選ぶ。
だがそれは恐ろしく重い(ブレーキかと思った)上に、大き過ぎるセンタートンネルのせいでシフト操作がやりにくいことといったら。
それに街中ではヘルメットを被りながら歩いているようで、前方以外何も見えない。
車幅感覚もゼロだ。
しかもバックはドアを開けて身を乗り出しながら重いクラッチ&ステアリングと闘うハメに(伝説のカウンタックリバース)。

郊外に出る。
エンジンは意外にも軽快。
ハジけるのは4500〜5000回転からだが、グォーッとくる。
そしてワインティングで試す。
ブレーキングしてシフトダウン、ステアリングを切る、強力に発生する横G、そしてフル加速。
すべてにおいて"力強さ"と"繊細さ"が必要で、まるでスリックタイヤを履いた一昔前のGTカーのよう。
私はコクピットの中で脂汗は出てくるは、目は血走ってくるはで、知らず知らずの内にこう叫んでいた。
「解った解った、もう悪口は言わないから」と。

なりゆき上、カウンタックの中で一晩を過ごすことになったワタシは、自分でも「アホなことしてるなぁ」と思いながら、胎内にいるような不思議な感覚に包まれていた。

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