まさか日産はジュークを一発屋で終わらせてしまうのか。そんな胸騒ぎを覚えてしまうほど、デビューした時の姿のまま歳月を重ねてきた同車の2代目がついに出現した。
もはやモーターショーはデビューの場に選ばれず
お待たせしました││こんな声が日産自身からも聞こえてきそうな吉報である。発売から9年を迎えていてモデルチェンジが待ち望まれているジュークの2代目がついに現れた。しかも「やっぱり」と言うか「当然」と言うべきか、現行モデルのイメージが色濃く残されてキープコンセプトで登場するようだ。
まず何よりもジュークを語る上で優先しなければいけないのは外観デザインだろう。方向性を模索する狙いで(?)過去に公開されたコンセプトカーでは丸目ランプが取り払われてシャープな印象が提示されたこともあったが、結果的に次期モデルも丸目ランプを踏襲することが決定。厳重に擬装されたテストカーのフロントマスクを見ると、定位置に丸いヘッドランプが設けられていることが読み取れる。
一方、現行モデルでノーズ上面に配されてデビュー時に話題を呼んだポジションランプは、ボンネットフードを避けるように前面に移されているのが目新しい。もちろん、LED採用のブーメラン形状によって日産車共通のデザインに仕上がっていることは想像に難くない。
もうひとつ、フロントまわりで注目したいのはAピラー下部、ちょうどフードのヒンジが配されている部分だ。ここはフロントとサイド、各ウインドウガラスの下端の段差を吸収する部分でもあるが、現行モデル以上に段差(高さの違い)が大きいしかし、フード先端と開口線はウエストラインの延長線上に設けられているため、フードそのものがまるで階段のように下がっている可能性が高い。実際、その段差が織り込まれているであろう部分はかなり大袈裟に擬装されている。
サイドウインドウが後方に向かって絞り込まれ、リアドアのハンドルがサッシュに埋め込まれる処理はモデルチェンジ後も健在だ。これもジュークの大切なアイデンティティで、遠目にも存在をわからせる欠かせない要素として踏襲。また、テールランプは引き続きブーメラン型に灯るが、フロント同様、ランプ本体はウエストラインより下にまとめられて整った印象がかもし出される。