スクープ
2004年 5月

スカイライン スポーツワゴン 日産
GT-R以上に衝撃的な隠しダマ
次期スカイラインにスポーツワゴン発覚
ステージアとは別路線いくスライリッシュ・フォルム

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Bピラーから後ろが専用デザインとなるスカイライン・スポーツワゴン。先代アコードを思い起こさせる、大きくスラントしたハッチゲートが最大の特徴だ。L字型コンビランプは現行モデルから踏襲。

 秋に予定されている現行スカイラインのMCに先立ち、今月のマガジンXは、とっておきの衝撃ニュースを用意した。それは、次期スカイラインにGT-Rを超える"ビックリ指数“最高レベル”の隠しダマが用意されているという事実だ。

 GT-Rを差し置いて話題を呼びそうなその存在とはズバリ、スポーツワゴンだ。7代目(R31型)を最後に姿を消したため、もう覚えていない読者も多いかもしれないが、じつはスカイラインには2代目以降、歴代にわたってワゴンや5ドアHBがラインナップされていた。そのうち、下記に掲載したのは5代目以降に設定されたモデルだが、なかでも6代目にはHBなる変わり種も出現。そして、V36型と命名されるであろう12代目で、17年ぶりに5ドアのスカイラインが還ってくることがわかった。
5代目ワゴン 6代目5ドアHB  7代目ワゴン

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スカイラインに初めてワゴンが設定されたのは67年、2代目のモデルライフ途中だった。以後、7代目(R31型)まで歴代モデルにラインナップされてきたが、6代目では異色の5ドアHBが設けられた。

 L53Aの社内コードを与えられてデザイン検討が進んでいる次期モデルは、いまのところ中核に位置する4ドアが先行して開発されている。もちろん、2ドアクーペも用意され、第3のボディとして今回世界初スクープしたワゴンがラインナップされるというワケだ。

現行ステージア

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 現在、日産の商品ラインナップにはスカイラインと基本コンポーネンツを共有するステーションワゴンのステージアが設定されているが、次期スカイラインに設けられるスポーツワゴンとは、その名のとおり、実用性よりも精悍でスタイリッシュなフォルムをウリにした雰囲気重視のモデル。シルエットだけを取り上げれば、先代アコード・ワゴンやアルテッツァ・ジータといった傾斜のキツいハッチゲートを持つクルマと同類だ。

 だが、スカイラインのネーミングが掲げられる以上、当然、パフォーマンスの面でも遜色ないレベルが実現される。踏襲されるFM(フロント・ミッドシップ)パッケージには熟成の域に達しているVQ型V6エンジンが搭載され、前後マルチリンク式サスペンションと相まって卓越した運動性能がもたらされる。

 先に触れたとおり、外観フォルムはFMパッケージならではの長いノーズと傾斜したハッチゲートで構成。フロントフェンダーは現行モデル同様、盛り上がった造型をそのままに躍動感ある形状に手直しされ、6月号でも報じた特徴的なキャラクターラインがボディ側面を駆け上がる。何しろ、まだデザイン検討段階のため、カタチになった(=立体的な)クルマもなく、とりあえずはスクープ班が独自に得た情報を元に予想イラストを作成した。

 そして、スカイライン・ファンにとって最も朗報なのが丸型4灯ランプの完全なる復活だ。LEDのテール&ストップランプを中心に、上にはターンシグナルが配され、バックアップランプは引き続きL字型を描くランプユニットの内寄り(ハッチゲート側)に置かれる。このスポーツワゴンも含め、スカイラインがより“らしく”進化して人気を高めることは間違いないだろう。

待望の国内展開も決まった インフィニティ・ブランドに移行か

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現行スカイライン

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立体的なフェンダーや横長グリルをそのままに、抑揚あるデザイン処理が施されてアグレッシブに進化するスカイライン4ドア。バンパー内エアインテークも迫力ある大型タイプに変わる。

 では、先行してデザイン検討が行われている4ドアはどのように生まれ変わるのか。6月号に掲載したとおり、FMパッケージが継承されるとあって、基本シルエットは現行モデル似となる。しかし、造型そのものは一転、抑揚のある立体的な形状に進化を遂げ、いっそうスポーティな雰囲気を演出。前ページで触れたフロントフェンダーのほか、ボンネットフードやドア側面(断面)など、あらゆる箇所がボリュームのあるグラマラスな造型へと手直しされ、想像以上に変わり映えがしそうだ。

 フロントマスクでは縦目ヘッドランプの基本思想が踏襲されながらも、リアコンビランプと同じL字型のデザイン処理が施されて統一感がかもし出される。また、フロントバンパー左右には横長エアインテークが置かれてワイド感を強調。これらのディテールを盛り込んでイラストで再現した結果、今秋デビュー予定の新型セドリック/グロリアに似たクルマとなったが、これこそ日産が取り組んでいる統一デザイン・テイストにのっとって開発していることを示す何よりの証拠だ。

 次期スカイラインでスポーティに生まれ変わるのは何も外観デザインだけではない。ナント、リアサスペンションにはHICASが備わるとの情報もある。後輪を操舵させることで狙ったラインがトレースでき、気持ちのいいコーナリングやレーンチェンジを実現する機構として一時はセレナなど、ミニバンにまで拡大設定された装備だ。久々の復活を前に、開発現場ではより自然な走行フィーリングが得られるよう、改良が図られているに違いない。

 ところで「03年度、過去最高の業績を達成した」と発表した日産のゴーン社長は、同会見で05年度から展開する新しい3カ年計画『日産バリューアップ』についても触れた。その中で注目されたのがインフィニティ・チャンネルの国内展開だ。北米で定着した同ブランドは日産の全世界での販売台数の4%、売上高の8%、そして連結営業利益の12%を占めているという。つまり、台数の割には“おいしい商売”をもたらしているというワケだ。決定にあたっては、トヨタがレクサス・チャンネルの国内展開を決めたことも影響しているのかもしれない。

 残念ながら具体的な展開時期や投入商品はまだ発表されていないが、スクープ班では06年秋に登場するこの次期スカイラインが国内インフィニティ・モデル第1弾に定められる可能性もある、と見る。その場合、スカイラインのブランド名が消滅するのかどうか、これまた気掛かりではあるが・・・。

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6月号に掲載したサイドビュー。ドアハンドル下からリアのホイールアーチへと続くプレスラインが現行モデルとの大きな違いだ。 次期モデルではリアタイヤに操舵機能が加わり、優れたハンドリング性能がもたらされる(イラストは8代目のスーパーHICAS)。
次期スカイラインの開発スケジュール(編集部予想)

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サテライトスイッチ復活する 未解決課題12項目のインパネ

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メータークラスターに置かれるサテライトスイッチはコックピット感覚を際立たせるアイテムとして、8代目(R32型)以来の復活を遂げる。チルトメーターは現行モデルから継承。

 スポーツワゴン設定の衝撃的ニュース、4ドアのデザイン検討案、HICAS復活説など、盛りだくさんにお届けしている次期スカイライン情報。最後に掲載するのは、外観とともにデザイン検討が進んでいるコックピットの再現イラストだ。

 一見してすぐに気付く現行モデルとの大きな違いは、ナビ画面の設置位置だろう。現行モデルでは不要時に格納できる上下昇降式が用いられているが、質感不足が指摘されていることを受け、次期モデルではインパネ上段に内蔵される方向で検討されている。もっとも、この固定内蔵化は現行モデルでも検討されており、秋に登場するMCモデルで先に取り入れられるとのウワサもある。もちろん、画面には地図以外にも車両情報やオーディオ、空調など、さまざまな情報が表示される。

 その下にはオーディオ&ナビのスイッチ類が並び、空調パネル、アナログ時計、灰皿と順に続く。なお、灰皿は今秋デビューのMCモデルからパーツが流用される。

 スポーティ・テイスト演出で避けて通れないのがメータークラスター両サイドに置かれるサテライトスイッチだ。スカイラインでは8代目(R32型)まで採用されたが、現行フェアレディZで復活を遂げている点を見ると、やはりスポーティさを狙うデザイナーにとって、これほど好都合なアイテムはないのかもしれない。次期スカイラインではこのスイッチによってトリップメーターのリセットやメーター照度の切替えが行えるようだ。  クラスター右下、ちょうどガーニッシュが貼られる部分には新型セドリック/グロリアと同じプッシュ式スターターボタンが置かれる。このほか、インテリジェントキー専用スロットやメーター連動の電動チルト&テレスコピック・ステアリング、低速時も含めて先行車との間隔を一定に保つ車間自動制御システム、車線逸脱を防ぐレーンキープシステムなど、あらゆる先進装備がおごられる。ちなみに、車間自動制御システムとレーンキープシステムのスイッチは操作性を重視し、ステアリングに設置される模様だ。

 一方、クラスター内にはスピードメーターとタコメーターが中心に据えられ、その両脇には燃料計および水温計が配される。さらに、中央には丸いモニター画面も設けられ、警告メッセージやオドメーター、トリップメーターなどを表示。

 デザイン検討も含め、いま現在はコックピット全体のチェックが念入りに行われている。指摘されている問題点は主なものだけでも12項目に及び、「メーターパネルの一部が隠れる」「クラスター類がフロントガラスに映り込む」といった機能上、支障をきたす問題から「表面パッドが薄い」との品質面を指摘する問題点まで、多岐にわたっている。具体的な内容は別表にまとめたが、なかでも10番の「パッド分割線の位置を変えて厚く見せる」解決方法は、まさにゴーン流の施策、つまりコストをかけずに質感を確保する端的な例と言えるだろう。

 06年秋、プレミアム・スポーツのコンセプトに磨きがかかると同時に、いちだんとスポーティに変身する12代目スカイライン。秘められた数多くのビックリを今後も追求し、お伝えしていく。

時期スカイラインのインパネの問題点(編集部予想)
  問題点 解決法
1 サテライトスイッチの表示が見えない 前面押しから側面押しに形状を変更
2 パドルシフトによってメーターパネルの一部が隠れる シフト形状およびメーターパネル内の文字位置を変更
3 ステアリングホイール中央パッドによってメーター内モニター画面が隠れる パッド上面の形状を変更
4 ステアリングコラムとメータークラスターの間隔が狭すぎる 適正間隔に変更
5 インパネ外寄り空調ダクトの吹出し面積が小さい デザイン検討段階の38cm2から50cm2以上に目標値を変更
6 運転席側インパネ空調ダクトからの風が乗員に届かない サテライトスイッチおよびステアリングとの干渉を避けるために位置を変更
7 メータークラスターがガラスに映り込む クラスターの高さおよび形状を変更
8 センタークラスターがガラスに映り込む センタースピーカーおよびセンター空調ダクトの設定位置を変更
9 グローブボックスOPEN時のフィニッシャー断面の見栄えがよくない 材質も含めて再検討
10 インパネ側面の表面パッドが薄い 厚く見えるように分割線の位置を変更
11 センタークラスターパッドが大きすぎて質感の目標値達成が困難 パッドを分割
12 センタークラスターパッドとコンソール本体のカラー&シボ&ツヤの一致困難 材質も含めて再検討

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手が届きやすく、運転に集中できるレイアウトとして8代目(R32型)に用いられたサテライトスイッチ。
はみ出し情報 その1
ステージアの存続は確認中だが、次期スカイラインはインフィニティ・チャンネルで販売される可能性が高く、その場合ステージアは日産ブランドのステーションワゴンとして引き続き販売されるだろう。
はみ出し情報 その2
次期スカイラインには冷風・温風が吹き出すエアコンディショニングシートやリア電動サンシェードの採用も検討されたが、需要やコストとの兼ね合いから見送られる結果となったようだ。
はみ出し情報 その3
モデルライフは4年が想定されているため、次期スカイラインは06年秋にデビューした後、2010年まで販売される予定だ。生産は引き続き栃木工場で行われる。
はみ出し情報 その4
BMWやメルセデスベンツといった欧州セダンをライバル視するため、運動性能や質感も同レベル以上が目標に定められている。
はみ出し情報 その5
北米版サニー(現地名セントラ)は05年夏にFMC。量産に先立ち、同1月の北米ショーで公開される可能性が高い。開発コードはL32Hで、シャシーには新型リバティと同じCプラットフォームを採用。
はみ出し情報 その6
次期スカイラインのボディサイズは4675mm×1750mm×1450mm、ホイールベースは2850mm。


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