ガードの固さでは定評ある(?)スズキの開発部隊。過去を振り返っても、発売直近まで確定フォルムをまとった実車には接近できなかったが、ついにスクープ班がその壁を打ち破って新型エスクードに一番乗りを果たした。初公開が予定されているのは05年1月のデトロイトショーだから、発表7カ月前の快挙となる。
ライト級SUVの先駆車として登場したエスクードは97年11月に9年ぶりのFMCが行われ、現行モデルに生まれ変わった。そして約8年を経て現れる3代目こと、次期モデルはシャープさが強調され、鈍重な印象が払拭される。
フロントノーズはスラント角が強まってスタイリッシュに変身。ヘッドランプはメッシュグリルおよびボンネットフードに沿った形状にデザインされ、マスク全体が洗練された雰囲気に仕上がる。ただし、あくまでもSUVらしさを残すために、バンパーにはオーバーライダー風のデザイン処理が施され、丸型フォグランプも内蔵。
ボディ側面では力強さを踏襲すべく、スクエア調のホイールアーチが与えられる。やや張り出しているのも現行モデルと変わりなく、市販時には上からオーバーフェンダーが装着される可能性が高い。
もっともシャープさが演出されるのは後ろ姿だ。台形をモチーフにしたバックウインドウは曲率の低い平面デザインで、初代を思い出させる。また、ボディサイドへと大きく回り込むコンビランプは直線基調の輪郭を描き、クォーターウインドウと交差する有機的なデザインとなる見込みだ。バンパー端には凹みが見えるが、ここにはリフレクターが埋め込まれる模様。驚きなのは、試作段階なのに、ご丁寧にも車名エンブレム(輸出名のグランド・ビターラ)が装着されている点だ。ガードが固い(はずの)スズキにしては意外!
ドアを開けて運転席に座ると、目の前には3眼メーターが据えられていた。中央のスピードメーターに食い込むように、左にタコメーター、右に水温計と燃料計をそれぞれ配置。また、スズキ初となるカードキーも装備されるのか、キーシリンダーにはそのまま始動できるノブも発見した。ヒーターコントロールパネルとトランスファー切替えスイッチも操作しやすい丸型で統一され、総じてスポーティな印象が強い内装に仕上がっている。
ボッシュのパーツも使われるエンジンには現行モデルゆずりのユニットに加え、欧州向けとしてディーゼル(プジョーから引き続きOEM供給か)もラインナップされるだろう。 |