10月号でダイナミックな造形のリアビューをお届けしたレクサスISは、05年8月のレクサス店スタートに合わせ、GS(アリスト後継車)とともに発売されるアルテッツァ後継のスポーティ4ドアだ。新たに関係者からフロントマスクに関する情報を入手したので、まずは再現イラストをご覧いただきたい。現行アルテッツァのヤンチャなイメージ(悪く言えばガキっぽさ)が払拭され、オトナが乗りこなすのにふさわしい顔つきに変わる。
V6エンジン(3.5リットルと2.5リットルの2本だて)を覆うボンネットフードは中央が大きく盛り上がり、立体感と躍動感を演出。また、先端にはクラウンのような切れ上がったツリ目ヘッドランプが与えられる。しかも、ラジエターグリルは横線ルーバーではなく、縦線基調に変わる模様。縦線グリルと言えば、かつてのクラウン・マジェスタのようなオジさん臭い印象が強いが、ISは決して演歌調になることなく、レクサスらしいモダンな雰囲気と質感の高さを打ち出すという。
ISのスポーティぶりをより強調するのは、顔の中でも下半分の領域だ。フロントバンパー中央にはメッシュネットが張られた大きなエアインテークが設けられ、両サイドには三角形の個性的な開口部がつく。おそらく、開口部の両端にはコーナリングランプもしくはフォグランプが組み込まれるだろう。
ここでISの基本メカニズムをおさらいしておこう。シャシーにはクラウンで開発された新世代FRプラットフォームを流用。クラウンと比べるとひとまわり小さく(全長295mm、全幅5mm、全高60mm、それぞれマイナス)、ホイールベースも120mm短縮されて2730mmとなる。それでも北米向け現行アルテッツァよりは大きく、全長60mm、全幅60mm、それぞれ大きくなる。現行アルテッツァとはまったく別モノと考えたほうがよい。
エンジンも別モノだ。前述したとおり、新世代GR型V6ユニットの3.5リットルと2.5リットルが搭載され、欧州向けには最新の直4ディーゼルも設定される。排気量だけを見ても、現行モデルの2リットルから大きくランクアップすることが読み取れるだろう。国内280ps規制の撤廃を受け、3.5リットルは300ps/38.8kg-m程度を発揮しそうだ。一方の2.5リットルはクラウン同様、215ps/26.5kg-mを発揮。ちなみに、車名はISの後にそれぞれ排気量を示す数字が組み合わせられ、「IS350」「IS250」となる見通しだ。このハイパフォーマンス・エンジンに組み合わせるトランスミッションはパドルシフト機構付6速AT。残念ながら6速MTの国内採用は見送られるようだ。
トヨタは現在、年明けの型式認定車製作に向けて作業を進めている。05年8月までにはガソリン車の量産が開始され、同年末にはディーゼル車の生産も立ち上がる予定だ。
レクサス・ブランドの中では一番下に位置するISだが、それだけにレクサスのエントリーモデルとして量販が見込まれており、ブランドイメージの確立に向けて重要な役割を担う。外観デザインを見る限り、まずは合格といったところか。 |