ライト級SUVの先駆車として名をはせたRAV4の3代目がデビューに向けて水面下で開発されている。6月号でボディサイズ拡大および3列シート化を報じたが、ついに今回、そのアグレッシブ・デザインをナマ撮りした。シンプルで親しみやすかった初代や、一歩踏み出してワイド化が図られた現行2代目と比べると、そのボリューム感・迫力は比べ物にならない。
では、外観のデザイン要素を具体的にチェックしていこう。もっとも目を引くのが、やはりそのヘッドランプだ。大きなツリ目を用いてきたここ数年のトヨタ・デザインから脱却、新型RAV4にはスポーティな印象が強い切れ長ランプが起用される。そのクールな表情は日本国内だけでなく、北米やヨーロッパでも高い人気を集めそうだ。また、ランプ間に置かれるラジエターグリルはRAV4らしい台形シルエットを踏襲。大きく盛り上がったボンネットフードから続くライン上に配され、押し出し感の強い顔つきを作り出している。ハイラックス・サーフの弟分とも言えそうだ。
ボディサイドにも注目したい。とくにショルダー部分は張り出しが強く、現行モデルよりボリューム感が増しているのがわかるはずだ。フロントマスクの力強さと相まって、「もはやライト級を卒業」と言っても過言ではなさそう。実際、3代目へのバトンタッチを機に、3列シート化が実現して乗用定員が増えるのは既報のとおりだ。
写真の都合上、残念ながらリアクォーター部分は見えないが、ここには台形ピラーが隠されているに違いない。イプサムやカルディナ、オーパなどに見られる、トヨタお得意のデザイン処理だ。
現行モデル同様、3代目RAV4にもワイドボディ仕様がラインナップされる。下に掲載したのがその勇姿で、標準仕様のボディに別体オーバーフェンダーと幅広タイヤが加えられ、迫力にいっそう磨きがかかる。もちろん、ワイドタイヤのおかげで高い走行安定性も得られるだろう。
搭載エンジンは2リットル直4に代わり、すでに輸出仕様に設定されている2.4リットル直4が国内向けにも設定されるとの見方が強い。その理由は3列シート化によって乗用定員が増え、車両総重量も増加するためだ。これを受けてクルーガーとRAV4の差が縮まるため、過去に本誌が予想したとおり、07年初夏をメドにクルーガーは廃止される方向で検討されているという。
RAV4は国内よりも北米とヨーロッパで販売台数を伸ばしており、現行モデルも海外ショーで初披露されるなど、常に海の向こうを重視してきた。ところが、3代目は05年東京ショーでの公開を目標に開発が進められているらしい。ただし、スケジュールに遅れが生じているとのウワサもあり、ショー出品が危ぶまれている。はたして、そのアグレッシブな容姿が1年後に幕張メッセで拝めるのか、気になるところだ。 |