スクープ
2004年04月

パッソ トヨタ
MPCことトヨタ&ダイハツ共同開発HB 6月7日デビューパッソ 丸ごとギャッチ

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コンパクトカーだからってナメられたくない。デザイナーのそんな思いが込められ、パッソの外観には存在感あるヘッドランプとシャープな造型が用いられた。「イカツい」と「かわいい」をミックスした「イカツかわいい」がコンセプトだ。 WiLLサイファを連想させる張り出したホイールアーチと縦長コンビランプが印象的なリアビュー。ドアハンドルは女性ユーザーのツメに配慮してグリップタイプが採用されている。

 さかのぼること1年半も前、本誌は03年1月号で「ヴィッツに弟がいる」と題してトヨタ&ダイハツ共同開発コンパクトHB「MPC」の第一報をお届けした。当時は国産登録車最短の全長や30km/リットル に迫る超低燃費が目標に掲げられていると報じたが、いまから3カ月前の4月号では完全ナマ姿を世界初披露。ネーミングも同時に捕らえ、トヨタ版がパッソ、ダイハツ版がブーンであることもスッパ抜いた。

 その後も調査を続けてきたスクープ班は、ついに市販版の詳しい内容をキャッチすることに成功。5月31日のラインオフを経て6月7日に記者発表されるのを控え、いち早く読者のみなさんにパッソの中身を丸ごとお伝えする。

 外観デザインは4月号に掲載したとおり、コンパクトなボディサイズながらシャープな造型を取り入れることで安っぽいイメージを払拭。ヘッドランプ上端には丸く膨らんだポジションランプが配され、デザイナーのこだわりも感じられる。ボディサイドを勢いよく駆け抜けるウエストラインはリアドアでキックアップ。また、張りのある面構成にアクセントを添えるべく、ドア下方にはキャラクターラインも設けられる。そして、リアビューでは張り出したホイールアーチと質感の高さを感じさせるクリアレンズのコンビランプが走り去る後ろ姿を印象づける。これなら「コンパクトカーは安っぽくてカッコ悪い」と敬遠してきた男性ユーザーも、堂々と乗れそうだ。

 全長はマーチより100mmも短い3595mmだが、ホイールベースは逆に10mm長い2400mmに設定。おかげで前後ヒップポイント間隔もマーチより30mm広く、後席のレッグスペースも十分に確保されるだろう。

 このインテリアで最初に注目したいのがリアシートだ。パッソの後席には可動式クッションが装備され、先端を持ち上げて前方に引き出すと前後長720mmのフラットなスペースが生まれる。ちょうどフロントシートとのスキ間がふさがるため、転がりやすいモノをリアシートに置いても落ちる心配がなく、停車時には子供を遊ばせるスペースとしても使えそうだ。ちなみに、Fパッケージ装着車では動かしたクッション下にもシートと同表皮のパッドが装備されている(その他のグレードはカーペット敷き)。

 さらに、この状態からシートバックを前倒しするとフラットラゲッジモードが完成。平らなスペースに荷物を思う存分、積み込むことができ、6:4分割を生かして片側のみをラゲッジスペースに使うこともできる。後席シートバックはヘッドレストを取り外すことなく前倒し格納できるのもウレシイ。このほか、Fパッケージ装着車には組み込み式ジュニアシートと撥水加工シート表皮も装備される。

 フロントシートはショルダー部分が丸く設計され、後席からも十分な視界が得られるよう配慮。また、Fパッケージ装着車は助手席側ヘッドレストの形状が運転席側よりも低く、やはりリアシートからの視界確保に貢献している。

 トヨタ初のコラムメーターは、メーターパネル本体がステアリングコラム上に置かれているため、チルトステアリングと連動。「ドラポジを合わせたらメーターが見えなくなった」といったトラブルも解消される。既報のとおり、文字盤は大きな半円形を描き、その内側にはオドメーターや燃料計が表示される液晶パネルが配される。おもしろいことにタコメーターもオプションで選べるが、選択時には別置きタイプをコラムメーター左上に設置。サイドウォークスルー可能なコラムシフト、両席バニティミラー、除菌イオンを発生するプラズマクラスターエアコン、ドアロック操作が不要なキーフリーシステムなど、メインターゲットの女性ユーザーが重宝する装備も数多い。

 その女性ユーザー、とくに子育てママが喜びそうなのが収納スペースの多さだ。インパネまわりではグローブボックスや照明が灯るマルチトレイに加え、助手席前方にワイドなスペースを確保したフリーラックも装備。シートバックポケット、買い物フック、ドアポケットといった恒例のアイテムも要チェックだ。

 パッソには新開発1KR型1リットル直3エンジンとK3型1.3リットル直4エンジンの2種類が用意される。以前にスクープしたCVTは搭載が見送られ、全車4速ATのみの設定に落ち着いたようだ。また、積雪地ユーザーを狙った4WDは1リットルモデルにラインナップされ、2WDと同グレードが選べるのも朗報だ。軽自動車マーケットとコンパクトHB市場の両方からユーザーを奪い去りたいパッソは、エントリーユーザーだけでなく、ダウンサイジングを考えているユーザーも射程距離に置いている。ムダに大きいミニバンに飽きたら、こんなコンパクトを選んでみるのも楽しいかもしれない。
入手した写真のクルマには車名が記されていないが、フロントにはPASSOの「P」をモチーフにしたマークがついている。
全9色のオシャレなボディカラー 
カシスピンク
メタリック
ミントブルー
メタリックオパール
ライムグリーン
メタリック
レッド
★マスメインカラー
ダークブルー
マイカメタリック
シルバー
メタリック
シャンパン
メタリックオパール
ホワイトパールマイカ
(メーカーオプション)
ホワイト

はみ出し情報
ボディカラーは上段3色が「胸躍るライフスタイルを提案するテーマカラー」、中段3色が「アクティブなスポーティカラー」、下段3色が「落ち着いたエレガントカラー」に分類される。
パッソ細大の魅力は可動式シートクッション

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後席のシートクッションを持ち上げて前方に引き出せば、通常時より250mm長い720mmのロングクッションモードが完成。Fパッケージ装着車は同表皮のパッドが現れる。 停車時に活用すれば、子供の遊び場としても使える。写真はパッドなし・カーペット敷きのため、出現部分の色がシートとは異なっている。 後席に置いたモノが床に落ちないのもロングクッションモードのメリットだ。また、ペットを乗せる際にも重宝しそう。

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Fパッケージ装着車には組み込み式ジュニアシートが標準装備。シートクッションを68mm上げることができる。 ロングクッションモードの状態からシートバックを前倒しすればフラットラゲッジモードに。ヘッドレストを取り外す必要もない。  

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助手席のシートクッションを持ち上げると収納スペースが現れる。ウェットティッシュやドライビングシューズをしまっておくのに便利。 さらに、ヘッドレストを取り外してシートバックを倒すとロングラゲッジモードのできあがり。約2.2mmの長いモノも運べる。
子育てママにもウレシイたっぷりの収納スペース

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1、上下分割式
グローブボックス

上段に小物やオプションのETC車載器が、下段に車検証入れが収まる。
2、助手席
ワイドフリーラック

バッグやティッシュボックスも入る空間で、横方向に広いのが自慢。
3、センターロアボックス

カード類が入れられる引き出し式ボックス。カップホルダーにもなる。
4、照明付マルチトレイ
ヘッドランプと連動してオレンジ照明が灯る。CDや芳香剤にピッタリ。
5、コインホルダー
ドライバーから手が届きやすい位置に設定。100円硬貨8枚が収納可能。
 

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6、シートバックポケット

地図や雑誌がスマートに収まるシートバックポケットは助手席に装備。
7、買い物フック

バッグや買い物袋など、3kgまでのモノを吊り下げるのに便利なフック。
8、助手席
アンダーボックス

クツや汚れたモノなど、隠しておきたいモノをしまっておくのに重宝する。

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9、ドアポケット
A4サイズの地図や雑誌、CDケースなど、さまざまなモノが入れられる。
10、ボトルホルダー
500mリットルのペットボトルがピッタリ入る。小物入れとしても使用可能。
11、プルハンドル
ドア開閉のジャマにならないようなモノなら、ここにも収められる。

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12、フロアトレイ
前席シート間のトレイにはバッグや折り畳み傘、CDケースが置ける。
13、リアカップホルダー
フロアトレイ後端には後席用のカップホルダーも装備されている。


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