スクープ

2000年9月


HJ

ホンダ
国内市場にも導入確実
カナダ製ビッグSUV MDX派生モデル「HJ」の正体


MDXは日本に導入されるのか――4月のNYショ ーで市販モデルを披露した、アキュラMDXのことだ。

開発時から情報をキャッチしていたスクープ班も、MDXの日本導入に期待していた。SUVブームにわく北米市場のためにアメリカで企画・開発され、カナダの工場で生産されるMDXは、ラグレイトをベースに作られたSUVだ。それだけに、圧倒されそうなほどの巨漢だが、それでいて鈍重ではなくスポーティ。

ホンダにはあの巨大なラグレイトを輸入販売し、予想以上の好セールスとした“実績”もある。だから、MDXもいずれ日本市場へ導入されるのではないかと考えていたのだ。

キャッチした情報をもとに、スクープ班の期待も込めたホンダ「HJ」の予想イラスト。MDXよりややワイルドな雰囲気としてみた。グリル中央には、もちろんHマーク。

しかし、残念ながらMDXは日本に導入されない。MDXの現地試乗取材を行い、誌面でラブコールを送る自動車専門各誌のみなさんには申し訳ないが、そう言い切ってしまおう。もちろん、理由はある。

MDXの派生モデル、というか兄弟モデルの存在が判明したのだ。2002年初めのデビューに向けて開発が進められているこのモデルは、開発コード「HJ」。

企画・開発は、MDXと同じくアメリカで行われている。フロアや基本コンポーネンツはMDXのものを流用し、安価に作ってリーズナブルな価格で販売する。今度はアキュラではなく、ホンダ・チャンネルの扱いとなるはずだ。

で、それを日本でも輸入販売するわけだ。これは、すでに「日本仕向け」として予定されているので、当然右ハンドルとなる。

ベースはもちろんアキュラMDX
全幅2mを超える堂々としたボディに3列シートを備え、3.5リットルV6エンジンを搭載するアキュラMDX。「HJ」もエンジンは同じものを使う可能性が高い。

フロアなどは共用するが、ボディは新作。それでいて、MDXより安価でカジュアルに作ると……。
SUVでありながらサードシートを設けて7人乗りとしたMDXに対して、この新SUV「HJ」は2列シート、5人乗りになる可能性が高い。ちょっと長めなMDXのリアオーバーハングを切り詰め、もう少しだけワイルドな雰囲気を持たせる。イメージとしては、新型シビック5ドアのSUV版だ。

ヤキモキさせたMDXとは違い、こちらは導入確実。ビッグSUVの国内登場に、期待しよう。

高級版→普及版
SUV派生の流れはアメリカから始まる!?

北米SUVブームの立役者といえば、ハリアー(レクサスRX300)だ。そしてNYショーで、その兄弟車・ハイランダーが発表された。

日本ではクルーガーの名でデビューするハイランダーは、もともと日本で企画されたものだ。北米トヨタの強い要請があったせいか、北米で先行発表されたハイランダーの企画意図は「ハリアーのカジュアル版」。
高級チャンネルのSUVとは別に、同じコンポーネンツを流用してカジュアルな普及版を作る。北米のブームが、SUVの拡大・普及の流れを引っ張っていることは間違いない。


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