8月の発表に向けて開発が進んでいる新型アコード&アコードワゴン。スクープ班は今回、ワゴン(開発コード:WI)の確定リアビューをキャッチすることに成功した。
2月号で「リアコンビランプはCR-Vのような縦型になる」と予想した。確かに、縦型リアコンビ案も社内で検討されたようだが、確定イラストで示したとおり、結局はオーソドックスな横型コンビランプに落ち着いた。ホンダはミニバン市場でヒットを連発しているが、その反面、アヴァンシアやHR-V、すでに廃止されたZなど、振るわない車種があるのも事実だ。いくら"勝ち組"とはいえ、クルマの売れ行きを大きく左右する外観デザインでの冒険はしにくくなったのだろうか。
もっとも、このコンビランプはよく見ると、けっこう凝った作りになっている。バックアップランプを除き、全面にレッドレンズを採用。ボディ側のランプは上がピンクレンズのターンシグナル、下がテール&ストップランプだ。また、ハッチゲートに組み込まれるランプは外側からテール&ストップ、バックアップランプ、リフレクターという構成になっている。ご覧のとおり、ハッチゲート部のランプは丸をモチーフにしていることが特徴的だ。一見、カルディナに近い印象だが、カルディナよりはリアコンビランプ全体がシャープで、ボディ側に丸レンズを採用していないなどの違いもあり、実際には高級感が演出される。
また、ハッチゲートは現行モデルに比べてやや立てられ、荷室空間を稼ぐ。と同時に、ルーフ部にまでガラスが回り込む新たなデザインを採用。じつはこのクルマ、国内専売車の現行モデルと違い、ヨーロッパでも販売される計画がある。このため、オーソドックスなデザインや荷室重視など、"ワゴンの原点"に回帰した作りになっているのだ。
ちなみに、ヨーロッパ向けにはいすゞの技術支援を受けて自社で開発中の2リットルディーゼルエンジンもラインナップされるという。おそらく日本には入ってこないだろうが、ドイツ車などの例を見る限り、最新のディーゼルエンジンは出力・静粛性ともにガソリンエンジンと比べても遜色なく、しかも燃費が抜群に良い。軽油中の硫黄分も下がる見通しだから、ぜひ日本でもカタログモデルに加えてもらいたいものだ。
今回はフロントビューの確定イラストを載せるまでには至らなかったが、「S2000に似たシャープなマスク」というデザインの方向性は間違っていない模様。2月号で紹介したイラストより「もう少しシャープな印象」との新情報も寄せられている。
現行アコードワゴンに搭載されているエンジン排気量は2・3リットルのみだが、新型モデルではエンジンラインナップも大きく広がる。モデル廃止されたオルティアのユーザー層をカバーするためにも2リットルi-VTECが用意されるほか、上級グレードには新開発2・4リットルが載せられる。
さらに、ユーザーにとって嬉しいのはワゴン専用3リットルV6エンジンが積まれることだ。北米向けセダンと同じエンジンで、6気筒ならではのトルク感と静粛性は、やはり4気筒エンジンでは出せないものだ。社外品のスポーツマフラーに換装しても、6気筒独特のビートサウンドが味わえることだろう。
5月には1次量産試作が始まる新型アコードワゴンだが、発売はセダンの8月より少し遅れて10月頃になる見込みだ。ワゴンの本場、ヨーロッパ市場も見据えた新型モデルは、日本のユーザーにとっても大いに期待できるクルマと言えそうだ。
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