スクープ
2006年 1月

 ZONE  トヨタ
 開発コード460L トヨタ版オデッセイ ZONE(ゾーン)修正ビフォーアフター
予想発売時期:07年
●全長×全幅×全高:4680mm×1785mm×1550mm
●搭載エンジン:2.4リットル 直4、3.5リットル V6

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ウエストラインの高さやボンネットフードも修正
「こんなに痩せられました」的な比較写真とコメントで構成されるダイエット広告。ならば、これを本誌でもやってしまおうというワケで、あのトヨタが「打倒!オデッセイ」の精神にのっとって開発している新ミニバンを実験台に引っ張り出した。

 トヨタのミニバンは数多いが、新規ジャンルを開拓してヒットを飛ばすのは常にホンダ。居住空間を最優先するミニバンの常識を打ち破り、長く低いフォルムと立体駐車場に入る全高を実現したオデッセイも販売が好調だ。それに真っ向から挑みかかるのが開発コード460L、社内呼称ゾーンと呼ばれる最新作だ。

 05年東京モーターショー会場の一等地に陣取ったトヨタ・ブースの中でも、もっとも注目を集めた1台のコンセプトカー。「FSC」なるネーミングで参考出品された低床ミニバンは、すでにその2カ月も前に本誌が独占スクープしていたのはご存じのとおり。しかし、開発が進むに連れて細かなダイエットや市販化をにらんだ化粧直しが行われていることが新たにわかった。そこで、トヨタのデザイナーたちが腕によりをかけて肉体改造(リフォーム?)させつつあるゾーンの最新情報をお伝えする。

 左にイラスト化したのは量産版の外観デザインだ。「えっ、ショーに出たまんまデビューするんじゃないの?」と驚く読者もいるだろう。実際、スクープ班も情報をキャッチした時にはビックリした。

 見てのとおり、全体的なプロポーションに大きな変化はない。長いグリーンハウス、立体感のあるノーズ、ドッシリと構えたボディ下半分など、FSCの持ち味がそのまま生かされる。しかし、一方でフロントマスクは量産車らしい表情に変更される。さすがに下方に大きく口を開けたグリルは採用されず、開口部が上方向に縮小されると同時に、グリルそのものの位置も上にズレる。グリル内にはFSC同様、横ルーバーが用いられる。

 ボディ側面で目を引くのがリアクォーターピラーの形状だ。FSCではウインドウがキックアップして躍動的な仕上がりを見せていたが、量産版ではウエストラインと平行なラインへと修正される。この結果、リアクォーター部分はますますハリアーに似た雰囲気に。また、グリーンハウスの下端がわずかながら下げられてガラス面積を拡大、開放感が高まっているのも見逃せない。乗員の視界を優先したいとデザイナー陣が考えた結果だろう。

 前後ホイールアーチで波打つウエストラインは特徴のひとつとして踏襲される。そのラインに沿って配される前後ランプも健在だ。さらに、フロントノーズでヘッドランプ内側を通ってバンパーまで落ちる個性的なプレスラインもそのまま活用される。ただし、ラジエターグリルの縮小に伴ってフロントバンパーはデザイン変更され、横長のエアインテークが設けられる模様だ。
Before

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FSCのネーミングで参考出品された“トヨタ版オデッセイ”。安定感ある硬質な下半身と躍動感を表現した上半身の組み合わせがミニバンの新しいカタチを提案した。
量産化に必要な要件を織り込み
After

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これが量産版の姿だ。本文でも触れたように、グリーンハウスが拡大されるとともにクォーターウインドウが修正され、フロントマスクも全面的に見直されている。


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