2005年 11月
カローラ派生車
トヨタ
他誌がウワサしてる4駆じゃないよ
デカbBとは全く違う国内専売のカローラ派生車って何モノ!?
予想発売時期:06年12月
●全長×全幅×全高:4250mm×1760mm×1500mm
●搭載エンジン:2.4リットル 直4、3.5リットル V6
MCプラットフォームに3.5リットル V6搭載するプレミアムHBは和製版A3
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まるでフーガを意識したかのようなL字型ヘッドランプと、ボンネットからバンパーまで続くカタマリ感ある立体デザインが特徴的なカローラ派生車。ボディ骨格はランクスと共有される。
ランクス・ベースの上級車種 直4モデルが先行デビュー
レクサス・チャンネルの日本展開でプレミアム戦略を本格的に動かし始めたトヨタ。06年8月にデビューする新型カローラにも、その路線を本気で歩む派生車種が存在することをつかんだ。「カローラでプレミアム 潤@ナニ言ってんの、カローラなんて大衆車じゃないか・・・」と思うなかれ。
開発コード255Lで呼ばれている派生車はHB(ランクス/アレックス)がベースの上級車種。わかりやすい例を挙げるなら、VWゴルフをベースに開発されたプレミアム指向の派生車種がアウディA3で、ランクス/アレックスがゴルフだとすれば、この255LはA3に相当する。しかし、単に「上級車種」という表現では片付けられない。255Lは内容を知る度に驚いてしまうサプライズのカタマリなのだ!
既報のとおり、新型カローラにはマーケットに最適な専用ボディが採用される。次ページ掲載の表組で開発コードや仕向け地、ボディ形状、さらには生産工場まで詳しくまとめたように、国内向けセダンとワゴンは5ナンバーサイズを踏襲するものの、ヨーロッパがメイン市場となるHBはライバル車に対抗するために全幅が1700mmを超える。さらに、セダンも欧州と米国向けは国内仕様とは異なるワイドボディを得ることが確定。
また、北米サイオン・チャンネルに投入される“デカbB”が開発されているのも過去にスクープしたとおりだ。こちらは05年春のニューヨークショーでコンセプト版「t2B」が公開されたため、記憶に新しいだろう。最新情報によるとデカbBは北米専売ではなく、国内販売も検討されているという。
本題に入ろう。出し惜しみせずに一番の驚愕の事実から紹介する。255Lにはナント2GR型3.5リットルV6エンジン(280ps)が搭載されるのだ。全長4mそこそこのCセグメントHBに3.5リットルとは・・・。確かにレクサスISやGS、クラウン用の2GR-FSE型とは燃焼方式などが異なるために最高出力は低い。しかし、スーパースポーツと呼ぶにふさわしいゴルフR32やA3の3.2リットルモデルがその名のとおり3.2リットルなのだから、その性能たるやいままでにない凄いものだ。
国内向け新型カローラのエンジンが1.5リットル〜2リットルとなるのに対し、255Lの量販仕様には2AZ型2.4リットル直4(170ps)がおごられる。2.4リットルターボを搭載する4WDスポーツモデルのウワサもあるが、そういったものが開発されている動きはなく、これらの報道は255Lの情報に尾ひれがついて飛躍したものと思われる。
大排気量エンジンの搭載が可能になるのは、新型カローラに使われるMC(ミディアム・コンパクト)プラットフォームが3リットル超えのユニットにも対応しているから。このコンポーネンツは hトヨタ版オデッセイ fことゾーン(仮称)にも流用される。おもしろいのはカローラ・ファミリーの中でもモデルや仕向け地によって現行シャシーの改良版と新世代のMCプラットフォームが使い分けられる点だ。ナロー仕様はすべて現行シャシーを使っての開発となるが、ワイド仕様は新旧の両プラットフォームが混在。例えばSUVライクな雰囲気がウリのマトリックスや北米および南米向けセダン、アジア各国で生産されるセダンには現行シャシーが用いられる。一方、欧州やオーストラリア、中国向けには新開発MCプラットフォームを採用。同じアジア圏でも、なぜか中国向けだけは新世代版なのだ。
ところで、255Lのフロントマスクはスクープ済みのランクスとは大きく異なる。価格に見合った高級感が備わっており、良くも悪くも欧州のプレミアム・ブランドのように個性の強いデザインとなりそうだ。ツリ目ヘッドランプとヴィッツ似のグリルが用いられる新型ランクスに対し、この派生車にはフーガやシルフィといった日産車を思わせるL字型ヘッドランプが起用される。また、ボンネットフードからラジエターグリル脇を通り、バンパーへと至る逆台形のキャラクターラインはアベンシス譲りのモチーフで、欧州向けトヨタ車の雰囲気が漂っている。ただし、ドアパネルやハッチゲートまわりはランクスと共用される模様で、外観上はゴルフとA3ほどの差はないようだ。なお、生産は高岡工場と関東自動車工業が担当する。
デビュー時期はエンジンによって異なり、2.4リットルが新型カローラより少し遅れて06年12月に登場。V6モデルは07年に追加される計画だ。価格は前者が250万円程度、後者は300万円を超えるだろう。
開発コード141L
ワゴンだって負けてない快適キャビンと広々ラゲッジがよくできてます
シャシーは改良版でもパッケージングは進化
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新型カローラ・ワゴンのパッケージング図。前後席の間隔が広がり、ラゲッジスペースも拡大されるだろう。フロント・オーバーハングが長く見えるが、実際にはコーナー部分がカットされているので取り回しの面では問題ないはず。
予想発売時期:06年8月
●全長×全幅×全高:4435mm×1695mm×1500mm
●搭載エンジン:1.5リットル 直4、1.8リットル直4
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事務的な水平基調が改められ、躍動感が盛り込まれるワゴンの後ろ姿。グリーンハウスが後方で絞り込まれるのも特徴のひとつだ。
もっとスポーティに変身して使い勝手も高まる新生ワゴン
サプライズはまだある。サイズやエンジン排気量から考えて欧州戦略車かと思いきや、これが国内専売車だというから驚きだ。取り扱いチャンネルの候補にカローラ店とネッツ店は挙がらないだろうから、トヨペット店およびトヨタ店が有力。ただ、ISの下に位置する車種の投入がウワサされるレクサス店の可能性も捨てきれない。つまり、このプレミアムHBがBMW・1シリーズのようなポジションでレクサスのバッジをつけることも考えられるワケだ。トヨタの野望が見え隠れするプレミアムHBは、本家カローラ以上に注目を集める1台となるだろう。
今回は255Lの存在を突き止めると同時にワゴンのパッケージングもキャッチ。前後席の間隔が広げられてキャビンスペースに余裕が生まれるだけでなく、ラゲッジ部も拡大が図られて使い勝手が高まる。過去にも報じたように、ルーフラインおよびグリーンハウスが後方に向かうに従って絞り込まれ、現行モデルよりグッとスポーティに仕上がるのは、下に掲載したパッケージング図からも読み取れる。リアシートのヒップポイントが前席に比べて高い位置に設けられているのも忘れずに見ておきたい。
セダンとワゴンに関しては、残念ながらまだ正式ボディをまとった試験車両が発見されておらず、現行ボディを暫定的に使用したクルマばかり。しかし、06年8月のデビューまで残された時間が約8カ月となったいま、まもなく正式な試作車両が繰り出すことが予想される。ぜひ続報を楽しみにしていただきたい。
■カローラ派生プレミアムHB の開発スケジュール(編集部予想)
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■新型カローラのバリエーション一覧(編集部予想)
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シャシー共有する仲間たち
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06年1月16日に発表される新型エスティマはMCプラットフォームの採用車・第2弾。
FSCのネーミングで公開されたゾーン(仮称)。デビューは07年の予定だ。
3ナンバー化と同時に新世代プラットフォームが用いられる新型カローラ・ランクス。
新型カローラ発売に先がけて開発されたMCプラットフォームは現行モデルに使われているものより幅広い対応が可能で、既報のとおり、RAV4に続いて06年1月16日発表の新型エスティマにも使われる。おもに海外向け車種に使われるため、3ナンバー枠の幅広サイズに設計されており、次期アベンシスや“トヨタ版オデッセイ”ことゾーン(仮称)にも転用される計画だ。