トヨタがパッソの下に位置するマイクロカーの開発に乗り出した。本誌6月号で第一報をお届けした“ちょヴィッツ”はその後、先行開発プロジェクトから正式プロジェクトに昇格し、将来的には市販車として売り出されることが決定した。折しもフランクフルトショーで現地の最小トヨタ車アイゴより小さいマイクロカー「エンド」が公開されたばかりで、間違いなく同プロジェクトが存在することが暗示された。
スクープ班が調べたところ、想定されているボディサイズは2850mm×1690mm×1500mm。また、エンジンにはパッソやアイゴ、ヴィッツと同じ1リットル直3が流用され、国内向けにはCVTが、ヨーロッパ向けには5速MTおよび2ペダル(クラッチレス)MTが組み合わされる。さらに、低燃費を実現するエコ・モデルとして1.4リットルディーゼルターボも設定。仕向け地と搭載エンジン別の月販目標台数は左ページの別表にまとめたとおりで、今後メーカー別の平均燃費が規制されるヨーロッパがメイン市場に据えられる。現地ではスマート・フォーツーが属すAセグメントに分類される見通しだ。
一方、国内ではパッソを下回るコミューターとして投入されるものの、登録区分上は黄色ナンバーの軽自動車ではなく、小型車に分類される。グループ会社にダイハツを持ち、同市場で大きな発言力を有するスズキが幅を利かせている以上、さすがのトヨタも軽自動車マーケットに易々と参入するのは難しいのだろう。ただ、昔からの名残で税制面で大きく優遇されている軽自動車は、トヨタにとって「目の上のタンコブ」。さすがに税制面では勝ち目がないものの、広いトレッドによる安定感と安心感、短い全長による軽自動車顔負けの取り回しの良さがアピールされて軽自動車つぶしに乗り出すことは確実だろう。発表時期は08年秋が予定されている。
ニュースはまだある。なんと同車のロング版も遅れて登場するのだ。ホイールベースとリアオーバーハング伸ばされて全長は3795mmに到達。そして驚いたことに、国内向けには3列シートが装備されて7人乗車が実現するという(ヨーロッパ向けは2列シート5人乗り)。まるでシエンタ(全長4100mm)の弟分のような存在だ。フル乗車時を考えてロング版のガソリン・エンジンには1.3リットル直4がおごられ、いまだトヨタでは実用化されていないe-4WDも設定。さらに、モデルライフ後半には1.5リットル直4モデルが追加される計画も早くも持ち上がっている。
ひとまず「エンド」でプロジェクトの存在が暗示された“ちょヴィッツ”を、本誌スクープ班は今後もマークし続ける。続報に乞うご期待! |