スクープ
2005年05月

 ノア/ヴォクシー  トヨタ
 外観デザイン案×2 検討中のノア/ヴォクシー 両車まったく異なるボディ採用か

↑zoom
デザイン検討が進められているノア/ヴォクシーの外観フォルム。bBや先代ステップワゴンを思わせるスクエア基調のものと、エスティマ似のスレンダーな案が浮上している。

 ステップワゴンとセレナが相ついでFMCすることで注目が高まっている5ナンバーミニバン市場。2車種ともティーザーキャンペーンを展開しており、すでに発売前から戦いが始まっているほどで、このクラスがメーカーにとって重要な分野であることもわかる。とくにステップワゴンは2代目の失敗で同クラスのトップブランドから転落しただけに、オデッセイと同じく、ミニバンでは異例の4年という短期間でFMCを敢行する気合いの入りようだ。

 そして、ボクらの次の興味はステップワゴンを引きずり下ろしたノア/ヴォクシーが2車の挑戦をどう受けて立つのか、ということ。こうした要求に応えるのが、わがスクープ班の使命だ。というワケで、他誌がライバル2車の紹介記事に終始する時期、ひと足先にノア/ヴォクシーの真相に迫ってみよう。

 次期モデルは開発コード350L、07年デビューの予定だ。スクープ班では2種類のデザイン案をキャッチ。まだ検討段階という、相当「鮮度」の高い情報だ。ひとつはbBを思わせるスクエア基調で、ヒット作となった現行ヴォクシーのイメージを受け継ぐキープコンセプト案とも言える。フロントマスクには長方形のヘッドランプとグリルが配され、まさにbBの兄貴分といった出で立ちを見せる。切り立ったクォーターピラーもbB似で、広い居住性の確保にも貢献しそうだ。

 もうひとつは現行ノアの進化版といった感じのスタイリッシュ路線案。ツリ目ヘッドランプ、スラント角の強いノーズとAピラー、絞り込まれたグリーンハウスなどで構成されるワンモーションフォルムは、まさにエスティマの弟分と言えそう。

 スクープ班では今回キャッチした2案がデザインコンペで競うのでは?と予想している。ところが、両方が採用されるとの情報もある。つまり、ノアとヴォクシーがFMCを機に完全に作り分けられるというのだ。現行モデルは周知のとおり、ノーズ部分のみが差別化され、Aピラーから後方は共用されている。しかし、浮上した2種類のデザイン案はAピラーもルーフ形状も異なるため、ボディパネルの大半が専用設計となっているのだ。

 確かに「ミニバン・カテゴリーの兄弟車なのに、そこまで作り分けるのか?」との疑問も湧く。ただ、ノア/ヴォクシーの平均月販台数は各6000台前後で、両車とも常に車名別ランキングの10〜15位に入っており、2車を合計すると車名別ランキングで2〜3位、月によってはカローラを抑えてトップになるほどの台数を誇っている。バブル期にマークII/チェイサー/クレスタそれぞれに専用の外板パネルをおごったトヨタのこと。まさに“ミニバン・バブル”の真っ只中、コストをかけてでも両車の違いを強調することで、一気にライバル車をツブす野望を持っていても不思議ではない。差し詰め、ノアがセレナ対策、ヴォクシーがステップワゴン対策といったところか。今後も、その野望の行方から目が離せないゾ!
現行ノア

↑zoom
現行ヴォクシー

↑zoom


▲戻る