発売前に商品のイメージや魅力の一部を小出しにして他社製品にユーザーがなびかないようにする、いわゆるティーザー活動に余念がないレクサス。アリスト後継車のGSを発売より2年も前に披露したのを皮切りに、アルテッツァ後継車IS、そしてRX(ハリアー)ハイブリッドも国内デビューの前に海外で披露してきた。「もうGSもISも見飽きたよ」というキミのために、レクサスが密かに用意している次の秘策を暴き出そう。
これまで、レクサスを出店する系列ディーラーの社長たちにも一切公表されてこなかった隠しダマ。それがウィンダム後継車のESだ。
ウィンダムは側突安全性や静粛性の向上を狙い、現行モデルからボディ形状がサッシュ付きドア採用のセダンに変更された。新型モデルでは、外観がますますアメリカナイズされるのは下に再現したとおり。まるでクーペを想わせるような流麗なCピラーとソリッド感たっぷりのリアデッキには、現行モデルの面影など全くない。また、ボディサイドを貫く湾曲したキャラクターラインにも注目。後ろ下がりのラインはコンビランプへとつながり、有機的なデザインが作り出される。
プラットフォーム一新にともない、搭載エンジンも新世代V6のGR型にバトンタッチする公算が高い。その中でも2GR型3.5リットルの起用が有力で、グレードによっては3GR型3リットルや4GR型2.5リットルとなる可能性もある。
開発スケジュールは別表に示したように、5月11日から性能確認車の組み付けが始まり、追ってテストに用いられる。6月30日には細かい仕様が確定し、8月27日には設計変更(業界では俗に“セッペン”と言われている)が締め切られる。以後、大幅な“セッペン”は認められなくなる。確定した仕様に基づき、11月7日から1次試作の製作がスタート。続いて06年1月16日から量産試作が組み付けられて最終調整が図られ、同3月7日から生産が始まる。このスケジュールを見る限り、世界初公開の場には06年1月のデトロイトショーが選ばれると考えて間違いないだろう。
若くして成功したエリートたちをターゲットユーザーとして開発されたウィンダムは、次のFMCで4代目を数える。初代はトヨタの開発陣ですら予想しなかったほどヒットしたが、2代目以降はセダン低迷のあおりを受けて国内では低迷が続いている。そんな状況に見切りをつけてか、スクープした新型モデルは北米専売車にシフトする可能性も浮上している。カローラ店の旗艦車種として君臨してきた歴史にピリオドが打たれてしまうのか、さらなる調査が必要だ。 |