5年前の2000年2月にデビューし、トヨタ車らしからぬ思い切ったワルなデザインで人気を呼んだbB。「年内デビューの新型ファンカーゴに吸収される」との説もあったが、FMCに向けて独自に動いていることがわかった。
本誌1月号では、次期カローラ・ベースのbB後継車を「でっかいbB」と称して紹介した。ベースとなるカローラの3ナンバー化にともない、全幅1700mmを超えるワイドボディが放つ迫力も報じた。しかし、コイツは北米向けbB(現地名サイオンxB)のFMC版であることが判明。
これとは別に開発が進む国内向けは、ボディが拡大されることなく、現行モデルと同じカテゴリーに属する。それどころか、ベースにはパッソ/ブーンのプラットフォームが使われるため、逆に若干のダウンサイジングが行われる可能性もある。現行bBのスリーサイズは3945mm×1690mm×1645mmで意外とデカく、ダウンサイジングで手頃感を打ち出すかも。
パッソ/ブーンのプラットフォームが使われるからか、開発はダイハツと共同で行われている。すでにダイハツ社内で「ブーンのストレッチ(延長)版を目撃した」との情報も寄せられているが、これは2代目bBに使われるプラットフォームのテスト車両だったようだ。
で、気になるコンセプトだが、外観には引き続きインパクトのあるデザインを採用。なかでも特徴的なのがリアのハッチゲートだ。現行モデルの垂直デザインから一転、やや傾斜がつく。もしキープコンセプトとした場合、追って登場したキューブとシルエットが似てしまうため、あえて路線変更を狙っただろう。フロントノーズも大きくラウンドしており、現行モデルの面影は見られないという。「真上から見ると、円弧を描いているように見える」との証言も。ルーフは現行モデルと同じ水平基調をキープ、余裕あるヘッドクリアランスが確保される。
と、ここまでデザインの特徴を紹介すると、あるクルマが思い浮かぶ。ズバリ、クライスラーのPTクルーザーだ。リーバイスやコカコーラなど、アメリカ発のビッグネームを徹底研究して作られ、1930年代のレトロ感と現代デザインを巧みに融合させたモデルとして人気を集めた。
新型bBの搭載エンジンには引き続き1.3リットルと1.5リットルの直4ユニットが用意される。トランスミッションにはCVTが初採用され、低燃費とスムーズな走りを両立。
そこそこのワルいイメージに見切りの良いデザイン、そして適度な実用性と過不足ない走り―bBはまさに現代の若者のハートをつかんだ。“アメリカン・レトロ”に身を包む2代目も、初代と同じように人気を集めるかどうか、注目だ。 |