アジア専売車セニアのボディをまとったテストカーは先行開発車両だった―3月号で新型テリオスと報じたクルマは、その後の調査で暫定ボディだったことが判明。改めてテストカーに最接近を果たしたスクープ班は、まったく異なるデザインを確認し、これこそが本物のボディだと確信した。
開発コードD07Aで呼ばれている新型テリオスは06年上半期、早ければ年頭にも登場する。捕らえたテストカーの写真からは大胆に切れ上がったヘッドランプと厚みのあるボンネットフードが確認できる。ラジエターグリルには横ルーバーが見えるが、これはダンボールで作られた暫定パーツだ。また、スクープ班が入手した情報によると、ボンネットフード先端はレンジローバーのようなエッジのあるシャープな造型で、押し出し感が強調されているという。
グリーンハウスは背高ルックを保ち、サイドウインドウも垂直に近い形状を維持。コンパクトながら不満のない居住スペースを作り出すノウハウが存分に生かされていると言えよう。
残念ながら写真に収めることはできなかったが、リアには引き続き横開き式ドアと被視認性の高いピラー内蔵コンビランプ、そしてSUVらしさを演出する背負い式スペアタイヤが採用されてアイデンティティが残される。また、ボディサイズは現行モデルより拡大されるため、660ccエンジン搭載の軽自動車版テリオス・キッドは想定されていないのかもしれない。ただし、現状ではキッドのほうが圧倒的に販売台数が多いため、軽自動車マーケット向けには何か別の秘策が用意されている可能性が高い。
ボディサイズの拡大にともない、動力性能にも磨きがかかる。具体的には、新開発K5型1.5リットルエンジン(K3型1.3リットルの排気量拡大ユニット)が搭載されることで肥大化による重量アップをカバー。
余談ながら、ダイハツでは数社の人材派遣会社と取り引きがあり、社内でも数多くの委託社員が働いているようだが、規律の乱れが問題視されているという。今回キャッチしたテストカーのダンボール製グリルにはCIエンブレム用の楕円スペースが設けられているが、目撃者によると、ここにボールペンでレクサス・マークがイタズラ書きされていたそうだ。また、これ以外にもテストカーに落書きが見られるなど、現場の管理者も頭を抱える状況が続いているとか。市場で好調さを見せているダイハツにも、こんな悩みがあったんだね。 |