SPECIAL企画
グラツー・インプレVol.2
初代BMWミニ
■第16回観点によって大きく評価が異なる

さて、この初代BMWミニをどう評価したらいいのだろう。
しっかりとお金を掛けて作っていると感じるし(造形/強度/材質など)安全性はクラス随一。
ドライビングフィールはクラシックミニを尊重したために、シャープなハンドリング&機敏な動きを見せてくれるものの、乗り心地は固くアンダー&オーバー、タックインといった昔ながらのFWD特有のクセが強く出て(これはわざとそういった味つけにした)、最新の国産車から較べると限界が早く訪れ、それを電子デバイスによって無理やりカバーしている。
エンジンパフォーマンスは平凡。

外装&内装のクオリティは高級車とは言えないまでもクラスを超えたレベルであり、操作系も慣れれば戸惑うことはないが、シートの出来は平凡、後席は何とか許せるレベル、MTの感触は上等、CVTは熟成不足といったところ。
初期トラブルはいくつか出たものの、すぐに改良&変更が入った。
ちなみにリコールは6件。
タイヤ/シフトケーブル/駐車ブレーキレバー/ブローバイホース/電気配線/ドライブシャフト、である。
要チェック項目。

というわけで、欠点や問題はゼロではないし、多少のわだかまりはあるものの、趣味性と実用性を兼ね備えたクルマを欲しているのなら、このBMWミニは魅力的な存在に映るに違いない。
しかもチューニング&カスタムパーツも豊富だから、自分だけのスペシャルバージョンを作って遊ぶという楽しみもある。
ただ、皆さんが期待しているほどには中古車価格は安くなっておらず、新車と較べてそれほど節約にならないケースも多い、というのが正直なところ。
逆に言えばリセールバリューが高いということは新車の方がベターという考え方もできるのである。
いずれにしてもレトロ路線の復刻版としては、悪くない選択である。
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